『X-MEN』シリーズの代名詞ともいえる、ヒュー・ジャックマン演じるウルヴァリンが最新作には姿を見せない理由とは? 本作の監督、サイモン・キンバーグが語る。
スーパーヒーロー作品で映画業界が入り乱れる前の2000年、第1作目の公開で始まった『X-MEN』シリーズから『デッドプール』を除く全作品に共通することがひとつある。ヒュー・ジャックマンがウルヴァリンとして出演していたことだ。だが、6月7日に全米で劇場公開する『X-MEN:ダーク・フェニックス』は、その例外となる。
ジェームズ・マンゴールド監督による傑作『LOGAN/ローガン』が2017年に公開された際に、ジャックマンがウルヴァリンに別れを告げたことだけがその理由ではないらしい。
「ジャックマンは、2016年の『X-MEN:アポカリプス』では出番が少なくても出演したことを踏まえると、今作のタイムライン上にもちゃんとはまり込む場所があってもおかしくなかった」とキンバーグ監督は指摘する。だが、問題が他にあった。コミックス原作『X-MEN:ダークフェニックス・サーガ』では、ウルヴァリンはジーン・グレイ(ダーク・フェニックスになってしまうX-MENのメンバーで、映画でこの役を演じるのは『ゲーム・オブ・スローンズ』で有名になったソフィー・ターナー)に恋に落ちてしまう。ところが、2006年公開の出来栄えの良くない『X-MEN:ファイナル・ディシジョン』では、サイクロップスとウルヴァリンとジーンの間の三角関係があからさまに描かれている。「『ダーク・フェニックス・サーガ』のストーリーを知っていれば、きっとローガンとジーンの2人のラブストーリーを映画の観客に見せたくなる」とキンバーグは語る。「それに、ヒュー・ジャックマンは年齢の割には素晴らしいルックスだが、ソフィー・ターナーと2人で一緒にいる姿を想像しても、なんだが僕にはそれがしっくりこなかった。みんなもそう思うはずだ」
さらに、キンバーグはタイトルになっているキャラクターに集中することを望んでいた。「ジーンの物語がこの映画の中心になる要素があったんだ」と言うキンバーグ。「だから、その部分に僕は全てを注ぎ込んで取り組んでいたから、ジーンから離れて、このシリーズの中でファンに人気のあるキャラクターのもとに飛び込む危険を冒したくはなかった。僕は、今までの『X-Men』シリーズとはまったく違う体験が今回の作品で味わえるようにしたかったんだ」
一方で、本作について楽観的に構えているソフィー・ターナーは「『X-MEN:ダーク・フェニックス』はうまくいったわ」とローリングストーン誌に語っている。
『X-MEN:ダークフェニックス・サーガ』
6月21日(金) 全国ロードショー
配給:20世紀フォックス映画 © 2019 Twentieth Century Fox Film Corporation