オピオイド依存克服の特効薬になるか? ハーブサプリメント「クラトム」の中身

クラトムはオピオイドの代用品として人気が高まっている。(Photo by AP/REX/Shutterstock)

アメリカ疾病予防管理センター(CDC)の最新レポートによると、処方箋なしで購入できるハーブサプリメント「クラトム」が、2016~2017年の薬物過剰摂取による死亡事例のうち91件に関係していることが判明した。だがクラトム賛成派や愛用者は、調査の根拠となるデータが不十分だとして、この結果を疑問視している。

このレポートは、2016年から2017年にかけて起きた2万7000件以上の過剰摂取による死亡事例のデータを検証したもの。死後の薬物検査の結果によると、調査対象となった死亡件数の0.56パーセントに当たる152件で、クラトムの陽性反応が見られたという。このうち91件では、監察医または検死官によりクラトムが死因だと断定されていた。だが、遺体の体内から検出された薬物がクラトムだけだったケースは7件のみだった。

主に東南アジアに生息する植物クラトムは、長年痛みを和らげる目的で、粉砕して粉状にし、お茶に入れて飲用されてきた。だが最近ではサプリメントとして、あるいはオピオイド系鎮静剤の代替品として用いられるようになっている。

CDCの調査は、「この薬を使用する際には注意が必要であることを示す証拠が、またひとつ増えた」という点で重要だと、薬物中毒センターで研究方針分析を担当するリンダ・リヒター博士は言う。「薬物絡みの死亡事例とクラトムの関連性については、さらなる実証が必要ではありますが……このような向精神薬が無害だと考えている方には、今回の分析結果やその他の調査結果をきっかけに注意していただきたいと思います」

また今回のレポートは、既知の事実をあらためて浮き彫りにした。オピオイド危機のあおりで、クラトムの服用が増加しているのだ。オピオイド中毒者の多くが、薬物依存を克服するためにこの薬物に手を出している。「他の“天然”ドラッグや薬草と同じく、大勢の人がクラトムをオピオイドの安全な代用品と見なしています」とリヒター博士。たしかにレポートでも、クラトムが関係しているとみられる過剰摂取の死亡件数は、44件だった2011年と比べて2倍に増加している。

だがアメリカ国内でのクラトム利用が増える中、アメリカ食品医薬局(FDA)はクラトム禁止の方向へ向かっており、クラトムは中毒性が高く、服用量が多いとオピオイドと同様の「作用」を及ぼすと利用者に警告している。またFDAは麻薬取締局(DEA)に対し、クラトムをヘロインやコカインと同じカテゴリーの薬物に分類するよう働きかけている。

Translated by Akiko Kato

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