ホンネが語る「2作目のジンクス」を打破した理由、BTSとの出会いとアジアの今

ホンネのジェームズ・ハッチャーとアンディ・クラッターバック(Photo by Astrid Stawiarz/Getty Images)


ー「新宿◐夜」のプレイリストでは、ジェイムス・ブレイクの新曲「Mile High」を選んでいましたね。あの曲もトラヴィス・スコットやメトロ・ブーミンが参加しているのもあって、ヒップホップの影響を強く感じます。お二人の感想も聞かせてもらえますか?

アンディ:個人的にはすごく好きなんだけど、なんていうか今までの曲よりも……。

ジェームズ:とっつきやすい。

アンディ:そう、聴きやすいんだ。彼の作品はどれも好きだけれど、最新作で境界を押し広げた感じがする。

ジェームズ:ちょっと大衆向けに、開けたというか。

アンディ:ヒップホップはもちろん、ポップのフォーマットに近接して、アルバム全体が聴きやすくなった。もちろん、昔のアルバムの曲だって今でも大好きだけどね。



ージェイムス・ブレイクの1stアルバムと最新作だと、どちらのほうが好きですか?

アンディ: うーん、難しいけどやっぱり1stアルバムは長く聴いていて思い入れも強くて、本当にいい曲が多いって印象で…….。やっぱりどうしたって、アーティストには1stアルバムの印象が浸透しがちだよね。

ジェームズ:どっちのアルバムが優れてるって判断するのは本当に難しいよね。新しい音楽やバンドを発見することに対しての喜びや刺激ってたくさんあるはずなのに、結局は評価された過去の作品ばかりが聴かれたりするし。新しいアルバムを聴いて僕らを知ってくれたひとだって、過去作のほうが断然いいって言うのかも。

アンディ:それはイヤだな。

ジェームズ:まあ、逆も然りなんだけどさ。過去作におけるヒットソングのイメージばかりに囚われるせいで、その先の変化を受け入れてもらうのが難しいことはたしかにあるけど、挑戦や進化は続けないといけないと思う。個々のアルバムにテーマを持たせて、それに合わせた変化をしていけたらいいよね。でも、もしもリリースの順序が逆だったなら、人々の評価はどう変化するのかなって考えたりしてしまうな。もし2作めに同じものを持ってきていたら、「1stアルバム」として出すよりも高く評価されなかったり、刺激が少なく感じたりもするかもしれないし。

ーヒップホップからの影響以外で、『Love Me / Love Me Not』のサウンド面で挑戦したことは?

アンディ:挑戦とはちょっと違うけど、今作ではこれまでよりもたくさんの人たちと一緒に仕事をすることになって、それは時に気がひるむような経験でもあってさ。これまで面識もなかった人に対してグッと心を開いて、同じ視点に立たないといけないっていうのは大変なことで。全然うまくいかないこともあったよ。

ジェームズ:逆に、初めてと思えないほどやりやすかったりもあったしね。

アンディ:そうそう、初めからすんなりと、すごくうまくいったりすることもあったよね。そうやって何曲かは、ほかの人たちと一緒に作った。だから大変なことでもあったけど、やった甲斐があったと思えることだったよ。どちらかというと、1番大変だったのはサウンド面より、完成した30近い曲の中からどれをアルバムに入れるか決めることだったんじゃないかな。10、多くても12に絞らないといけなかった。浮かんできた全部のアイディアをひとつのアルバムにまとめて、次にどこへ向かうかを定めるってことはすごくエキサイティングなことだけど、そのぶん気苦労もあって。基本的に僕らは3年近く同じ曲で世界中をツアーしてきて、そこから一旦ブレーキをかけて、新しい曲を作らないとって取り組んだわけだからね。

ーなるほど。

アンディ:でも、アルバムを完成させるってのは本当にわくわくすることだよ。その作品の核となるような曲が5つ、6つ出来上がってこれば、不安よりも達成感が感じられるようになる。



ー先ほどのプレイリストでも踏襲していたように、『Love Me / Love Me Not 』は「昼と夜」の二面性がテーマになっていました。ここでいう「昼と夜」は、「光と闇」とか「ポジティブ/ネガティブ」のようにも言い換えられるようにも感じたのですが。

アンディ: アルバムにどんな曲を収録したいかってアイディアは以前からぼんやりと持っていて。それらの曲には二つの異なる心理状態というか、視点が同時に存在しているように感じてたんだ。その交わりみたいなものをどうやって表現するのが1番いいのかをずっと考えていて。アルバムのラストの「Forget Me Not ◐」という曲は最後に完成したんだけど、そこに「She loves me / She loves me not」って歌詞があって。曲ができあがってすぐ、いいアルバムタイトルになるんじゃないかって思ったんだ。

それにアルバムのうち6曲が「She Loves Me = 愛されてる」だけどなかなかそれを認められない気持ち、ほか6曲は「She Loves Me Not = 愛されてない」ってジレンマみたいなものを表現していて。指摘してくれたとおり、「ポジティブ/ネガティブ」もしくは「ハイ/ロー」みたいな心理的な対比がテーマになってる。歌詞は過去のさまざまな経験がもとになっていて、その対比が交わりあうグレーな部分を書いてるんだ。そこには、こうやって世界をツアーしている間に感じたことも含まれてるね。これまでで1番パーソナルな内容になってるよ。

Translated by Kazumi Someya

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