誰よりも「音楽」を愛していたラッパー、マック・ミラーの生涯

地元ピッツバーグで10代から活動を始めたマック・ミラー(Photo by Scott Kowalchyk/CBS via Getty Images)

米国現地時間7日(金)に亡くなったラッパーのマック・ミラー。アーティストとして類稀な才能を持つ一方で、生涯を通じて薬物問題に悩まされ、世間にもそう公言していた。

ピッツバーグ出身のミラーは14歳からラッパーとして活動を開始し、2010年頃からマック・ミラーを名乗り始めた。当時全盛を誇っていた同郷ピッツバーグのウィズ・カリファが所属するRostrum Recordsと契約。ラッパーがブログ上でファンに直接作品を公開するというヒップホップ新時代に突入すると、彼はたちまち大成功を収めた。初期のヒット曲の一つである軽快な「Donald Trump」は、のちにミラーと現大統領との間に確執を生んだ。続く2011年には、デビューアルバム『Blue Slide Park』をリリース。ピッツバーグにあるフリック・パークにちなんで名づけられたこのアルバムは商業的にも大ヒット。批評家からの評判は今ひとつだったものの、ビルボードチャートでは初登場1位にランクインした。

その後、アーティスト魂がくすぐられるような、新たな試みにチャレンジするようになった。『Blue Slide Park』に続く2013年のアルバム『Watching Movies With The Sound Off』は、シーンを沸かせたかつてのサウンドとは打って変わり、躍動的なラップとより成熟したテーマの作品となった。後年継続して取り組むことになる音楽の再構築に乗り出したのもこの頃。ミラーは非常に多作なアーティストで、大勢のラッパー、ジャズ・ミュージシャン、有名プロデューサーたちとコラボレーションし、ラリー・フィッシャーマンという別名義でプロデュースも手掛けるようになった。

2016年、ミラーは2枚のアルバムをリリース。いずれも前作とは違って批評家からも高い評価を受け、またアリアナ・グランデとの交際も手伝って、セレブの仲間入りを果たした。

彼の生前最後のアルバムである『スイミング』は2018年8月にリリースされ、ジョン・メイヤー、サンダーキャット、ジョン・ブライオンとのコラボレーションも話題を集め、批評家から高く評価された(全米3位)。アーティストとしての才能をあらためて見せつけた本作だが、リリックには自身のアルコールへの依存や飲酒運転について触れた内容も含まれていた。

Translated by Akiko Kato

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