音楽旅のすすめ|ミュージシャンも魅了される文化的モザイク都市カナダ・トロント

トロント・ジャス・フェスティバルに出演したメイシー・グレイ(Photo by Randall Cook)と、トロントのシンボルCNタワー

先住民のヒューロン族の言葉で「人が集まる場所(=トライテン)」という意味を持つ、カナダ最大の都市「トロント」。デトロイト、ニューヨーク、モントリオールからほど近いこの土地は、その名の通り多くのカルチャーが集まる面白い都市なのだ。現在の音楽シーンを牽引するドレイクやザ・ウィークエンドを排出し、かつてザ・ローリング・ストーンズがライブ収録をしたという伝説のライブハウスやトロント・ジャズ・フェスティバル、エレクトロフェスティバル、そしてアート溢れる最新スポットまでーー。文化的モザイク都市「トロント」の魅力を紹介。

2018年上半期のストリーミングチャートを席巻しているドレイク。アルバムのアートワークではトロントのシンボルCNタワーを使い、楽曲ではトロントの四季の移り変わりを歌っているが、地元愛が強いのは彼だけではない。ドレイクを兄と慕う、ラッパーのザ・ウィークエンドも同じくトロント出身で、最近では二人で「OVO XO」というユニットを組みトロントを盛り上げている。このドレイクの地元愛は、音楽業界だけにとどまらず世界中へと波及し、VICE誌によると同市へ年間4.4億ドル(約490億円)ほどの経済効果を生み出しているという。


2016年にリリースしたドレイクのアルバム『Views』:CNタワーに座るドレイク

また、近年ではトロント大学の人工知能(AI)研究が世界で注目されており、数々のスタートアップや大手IT企業がトロントに基地を設けている。カルチャー、ミュージック、テクノロジーによって、改めて世界から注目されている都市トロント。ローリングストーンジャパンが同市を訪れたのは6月下旬。ちょうど市全体で「トロント・ジャズ・フェスティバル」が盛り上がりをみせ、カナダの建国記念日「カナダデー」を迎えるというメモリアルな季節で、そして心地よい初夏を感じる時期だった。

音楽好きならば、いつか"海外のフェス”に行ってみたい。と思ったことはあるだろう。とはいえ、大型の海外フェスへ行く場合、旅自体がフェス一色となってしまい、観光をせずに終わってしまうことも少なくない。ある程度大人になった読者の皆様には、「観光」と「音楽」を味わうことができるトロントをおすすめしたい。

トロント・ジャズ・フェスティバルは、1987年から始まり、今年32年目を迎える北米最大規模と言われるミュージックイベント。大型の野外ミュージック・フェスティバルではなく、トロントのいたるところに小さなステージが点在し、約10日間にわたりライブが開催されているというものだ。例えば東京の青山のようなブランドストリートや教会、カフェが並ぶ路上など、市全体に心地よいサウンドが溢れており、大きなメイン会場(ホール)以外は、基本的に全てフリーライブというもの嬉しい。


今年、街中の大きめのステージに出演したメイシー・グレイ(Photo by Randall Cook)


今年、メイン会場でもあるソニーセンターのステージに出演したシール(Photo by Randall Cook)


今年、メイン会場でもあるソニーセンターのステージに出演したハービー・ハンコック(Photo by Randall Cook)

お目当てのアーティストをチェックした後は、ショッピングをしながらライブを楽しむこともできる。ジャズフェス会期中は街を歩いていると、ステージに立つことが叶わなかった若者たちが路上でゲリラライブを行い、オーディエンスから大歓声を受け、ベテラン陣は安定感のあるリズムを刻みステージで演奏し、各国からの招待アーティストたちは思い思いにプレイを楽しんでいる。そんなユルさが心地よいジャズ・フェスティバルなのだ。


6/29(金)教会のステージに出演した仏のアーティストGuillaume Perret。荘厳な雰囲気でフュージョンジャズでオーディエンスを魅了した。(Photo by RSJ)


街中では若者たちがゲリラライブを敢行。オーディエンスを盛り上げ、最高のパフォーマンスを披露した。(Photo by RSJ)

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