ケヴィン・ベーコンが語る、人生を変えた10本の映画たち

Photo: (Focus)


『地獄の黙示録』(1979年)
「ニューヨークの54丁目にあるジーグフェルド劇場で公開初日に『地獄の黙示録』を見たんだ。僕にとって非常に重要な日だ。頭の後ろの方からヘリコプターが飛んでくる音を聞いたのを覚えている。頭の中が真っ白になったよ。劇場の後方にスピーカーが設置してあって、ステレオ音響のようになっていたからヘリが頭上を飛んでいるように感じたんだ。映画が始まったその瞬間から、映画を見ていたのではなくて、その中にいたんだ」
「もう一つこの映画について言えるのは—僕だけに起きたことだけれど—おそらくこれは、僕がその後大切にするようになる考え方の礎ができた瞬間だった。俳優としてのキャリアの道は、必ずしも作品のタイトルの上に自分の名前がつき、その状態をキープするために働き続けるということではない、という考え方だ。小さい役をやることもできるし、アンサンブルの一員となったり、小さいけれどかっこいい作品を生み出したりすることもできる。この映画の男たち、マーティン・シーンやロバート・デュバルやラリー・フィッシュバーン、マーロン・ブランドの間で起きていたのはそういう類のものだ。グループの映画なんだ。仲間なんだよ」
「このことをこの前誰かに話していたとき、相手にこう言われたんだ。「ケヴィン、ディレクターズカットを見ないといけない」って。随分時期がずれてしまったけれど、なんとかしてそのバージョンを見たんだ。ディレクターズカットは見たことがなかったんだ。一見したところだと、もっと頭がクラクラする映画だよね。実際かなり奇抜な作品だった(笑)」

『ラスト・ワルツ』(1978年)
「ジーグフェルド劇場と言えば、マーティン・スコセッシ監督とロビー・ロバートソンがオリジナル版を手に入れて、それをリミックスしたときにこの作品をあの劇場で見ているんだ。再公開したか、何かの記念だったかと思う。完璧にショックを受けたよ。あの劇場には最高の音響設備がある。僕は音楽も大好きだから、当然あのバンドの大ファンだ。でもたとえファンでなかったとしても、これはこれまでで最高のコンサート映画になると思うよ」

Translation by Yoko Nagasaka

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