フランツ・カフカのサウスアメリカ

菊地成孔率いるDCPRGの新作は、07年作『FRANZ KAFKA'S AMERIKA』の続編を思わせるタイトルだ。メンバーは新しいラインナップになり、グループ名の表記もdCprGに変わって気分一新。とはいえ、剥き出しの闘争心は変わらない。ジャズとファンクが煮えたぎるdCprGという溶鉱炉に、呪術的なラテンのリズムやメタリックなギター、サン・ラの魂を召還するようなキーボードソロが放り込まれて、アルバムは異様なテンションで沸騰している。社会に渦巻く不穏な空気に火をつけたような本作は、戦場からの実況中継のようにスリリングで挑発的だ。

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