「朝霧JAM ’24」富士山を一望するキャンプフェス、絶対に行くべき6つの理由

Photo by 宇宙大使☆スター

 
富士山麓の広大な朝霧高原でキャンプとライブが楽しめる人気フェス「朝霧JAM」が、10月12日(土)、13(日)に富士山麓 朝霧アリーナで21回目の開催を迎える。同フェスの見どころ、今年の知っておきたいポイントをまとめた。





1. 富士山麓の大自然に囲まれて過ごす2日間

朝霧JAMを日本有数の特別なフェスたらしめているのは、圧倒的な自然の存在感だ。果てしなく広がる緑豊かな山脈と大草原に、無数に連なる錐状のテント。遮るものが何一つない大空は、都市部では味わえない解放感をもたらす。清浄な空気を胸いっぱいに吸い込めば、全身の細胞が生命力に満ちあふれる感覚に包まれるだろう。天候に恵まれれば、昼は富士山を間近に眺めながら音楽に身を委ね、夜は澄んだ空気が生み出す満点の星空の下で過ごすひとときを楽しむことができる。

朝霧JAMはただの音楽フェスではない。富士山麓の大自然とともにある贅沢なキャンプ・イン・フェスなのだ。


早朝の富士山(Photo by Taio Konishi)


赤富士(Photo by 宇宙大使☆スター)

2. ジャンル/国境を超えて実力派アーティストが集結

2024年の朝霧JAMは、例年以上に多様でジャンルレス。すでにタイムテーブルも発表されている通り、「RAINBOW STAGE」と「MOONSHINE STAGE」という2つのステージに総勢24組の出演者が揃った。




RAINBOW STAGE(Photo by 宇宙大使☆スター)


MOONSHINE STAGE(Photo by 宇宙大使☆スター)

まず今年は、先鋭的なエレクトロニック・ミュージックの担い手たちが目を見張る。カナダのCaribouは実に9年ぶりとなるバンドセットでの登場。10年ぶりのフルアルバムを発表したアイスランドのテクノデュオ・Kiasmosによる貴重なライブセットも必見だ。Caribouの単独公演はすでに完売、Kiasmosもソールドアウト必至の状況とのことで、朝霧JAMでぜひとも観ておきたい。

さらに2日目の終盤、北欧ニューディスコの第一人者・Todd Terjeから米国で活動中の日本人DJ・Qrionと続く流れは、フェスの締めくくりとして申し分ない。




さらに海外勢では、ニューエイジ〜メロウを横断するLAの才人・John Carroll Kirbyがバンドセットを率いて出演するほか、ドレイクがサンプリングし、パティ・スミスがカバーしたカナダの世界的R&Bシンガー・Charlotte Day Wilsonの初来日も嬉しい。かたや今年だけで3度目の来日となる台湾のElephant Gymは、アジアを代表するバンドとして世界ツアーの真っ只中。ポストロックが長年親しまれてきた朝霧JAMとの親和性もバッチリだろう。昨年12月に初来日したGhostly Kissesのドリーミーエレクトロニカも心地良さそうだし、Xavi Sarriaはバレンシア音楽を取り入れた痛快なサウンドで盛り上げてくれそう。




国内勢も強力だ。コーネリアスや石橋英子といった世界的アーティストに加えて、いとうせいこう is the poet(ダブポエトリーのユニット)は小泉今日子とのスペシャル編成で登場し、Ovall、キセルという実力派のベテランが脇を固める。国民的シンガーソングライターの森山直太朗を朝霧で堪能できるのも大きなトピックだろう。

さらに若手も、2日目のトリを務める羊文学やHomecomings、MONO NO AWAREといったインディーロックバンドや、勢いが止まらないミクスチャーバンドのKroi、ラッパーのJJJやプロデューサーのSTUTSなどヒップホップ勢、サイケ~アンビエントのmaya ongaku、安部勇磨(never young beach)や荒谷翔大(元yonawo)まで今見ておきたい顔ぶればかり。どんな世代のオーディエンスも唸らせるであろうラインナップを予習するために、公式プレイリストも要チェックだ。







3. キャンプ未経験者からベテランまで魅了する参加プラン

キャンパーの聖地、ふもとっぱらキャンプ場に泊まれるのも朝霧JAMの醍醐味だ。キャンプと聞くとハードルが高そうなイメージをもつ人もいるかもしれないが、そのあたりは心配無用である。今年の朝霧JAMは、様々なニーズに応えるべく新たなプランが追加された。

以下、順を追って説明していこう。


a)初心者におすすめ「手ぶらキャンプ」

実際、昨年の本誌取材で初めて朝霧JAMを訪れた筆者は完全なるキャンプ未経験者だった。行く前は不安もあったが、首都圏からバスで現地まで行ける「首都圏発着バスプラン」と、テントは事前に設置済で返却・撤収も不要な「レンタルテントプラン」、寝袋、ランタン、マット、チェアといった足りないキャンプ用品をレンタルして現地で受け取れる「hinataレンタル」を組み合わせたおかげで、ほとんど手ぶらで朝霧JAMを2日間堪能することができてしまった(※昨年の体験記を参照)。

大きな負担なくキャンプもフェスも楽しめたのはあまりにも快適。筆者のような車もキャンプ用品も持っていない人、荷物を極力減らしたい人は上記プランの組み合わせを強くおすすめしたい。自宅が首都圏外の場合は「会場最寄り駅発着バスプラン」で同様に過ごせるはず。こちらは日帰りでの利用も可能である。


レンタルテントは事前に設置してあり、返却・撤収は不要。今年から「CAMP SITE B」でもレンタルテントプランが利用可能になった(Photo by 宇宙大使☆スター)


「hinataレンタル」特設ページより。今年はロゴスのテント付きセットも用意。CAMP SITE A/B(詳しくは後述)向けのアイテムもセレクトされている


バスツアー利用者は会場内で宅配便受け取りも可能(Photo by 宇宙大使☆スター)


b)新登場「宿泊プラン」

キャンプがどうしてもネックという方もいるだろう。それでも参加を諦める必要はない。なんと今年は富士市・富士宮市の宿泊施設から選べる「宿泊プラン」が新設された。夜はベッドでぐっすり眠れるし、会場までは「会場最寄り駅発着バスプラン」を利用すればハンドルキーパーに気兼ねなく楽しめるうえ、一部ホテルでは無料送迎付きで温泉でリラックスもできる。キャンプを一切することなくフェスを楽しめる、まさに至れり尽くせりなプランだ。


「宿泊プラン」では交通手段・ルート別に4つのホテルが用意されている(写真は東横イン新富士駅南口)


c)キャンプガチ勢向けの新エリア

一方、朝霧JAMに何度も訪れているようなキャンパーにとって嬉しいのは、今年から「場外・パーク&キャンプ場」という新エリアが登場したこと。国道139号線沿いの新・場外駐車場に車を停めて、朝霧高原の富士山と放牧牛という有名な風景を望むことができる。また、「ふもとっぱらパーク&キャンプ場」ではキャンプサイトに隣接する駐車場(徒歩1分圏内)に車を停めて、キャンプの聖地・ふもとっぱらを楽しめる。いずれも会場までは無料シャトルバスで約10分という立地。なお、エリアの利用にはどちらも専用駐車券の購入が必要となっている。


場外・パーク&キャンプ場(Photo by Shin.S/イメージマート)


「場外・パーク&キャンプ場」紹介映像


キャンプ場のマップ


d)楽しみ方は自由自在

とにかくライブをたくさん観たい場合は場内キャンプサイトがおすすめだ。「RAINBOW STAGE」前に広がる「CAMP SITE A」、メインステージから少し離れた場所にあって、焚き火やアウトドア料理なども楽しめる「CAMP SITE B」の2種類がある。ちなみに、今年から「CAMP SITE B」でもレンタルテントプランが利用可能になった。


CAMP SITE A(Photo by 宇宙大使☆スター)


CAMP SITE B(Photo by 宇宙大使☆スター)

「ふもとっぱらパーク&キャンプ場」「場外・パーク&キャンプ場」では2日目の終演後翌日10:00まで、「CAMP SITE B」では翌日11:00までキャンプを継続可能。今年は月曜が祝日=3連休での開催となるので、2泊3日フルで楽しむ絶好のチャンスだ。それぞれの楽しみ方に応じて、どこに泊まるかをよく選ぼう(※キャンプエリアの詳細はこちら)。

また、車の乗り合い人数が多いほどお得になる駐車券の環境割引が今年から始まったことも特記事項である。そのため家族参加やグループでの参加がよりおすすめだが、ソロでの参加も上述したプランの組み合わせで快適に過ごすことができる。初心者も経験者もソロもグループも、あらゆる参加方法に対応しているのが今年の朝霧JAMなのだ。

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE