“METALVERSE現象”が再び出現、豊洲PIT 2DAYSで示した無限の可能性

「METALVERSE #2 – THE END OF THE INNOCENCE」豊洲PIT 2DAYS “出現”

舞台となった豊洲PITの会場内に入ると、そこには通常のメインステージに加えて、客席内に迫り出したもうひとつのフロントステージが用意されており、前回の公演とはまた違った“現象”が起こるのかと期待が膨らむのであった。

オープニングムービーがスタートし「METALVERSE」のストーリーが語られる中、映像などで度々登場していたELEMENTと呼ばれるクリスタルに輝く5つのオブジェが、なんと映像ではなくリアルな立体物となって天からステージ上に降りてきたのだ。

ムービーが終わり暗転となると、今度は5つのELEMENTが輝き出し、インダストリアル調のサウンドに合わせてELEMENTが宙へと舞うと、新しいバトルスーツに身を包んだ5つの生命体が“出現”した。



「Hello World」というAIロボのような掛け声をキッカケに、バッキバキなヘヴィかつハイパーポップなサウンドのオープニング曲「Welcome to the METALVERSE」がスタート。飛び交うレーザービームの中をシルエットが泳ぐようにダンスをしながら客席内に迫り出したフロントステージへメンバーが移動してくると、「Welcome to the METALVERSE」の掛け声と共に会場の熱量はどんどんと増していった。中盤でチルアウトするシーンからメインステージ背面に設置されたスクリーンに再び火が灯ると、3DCGで型取られたクリスタルのELEMENTの中から3DCGのメンバーが生まれ、さらにそれらが合体して第6の新たな生命体が誕生する、というストーリーへと繋がっていった。再び激しいサウンドが鳴り響くと、ダンスもさらに激しさを増していき、さらにパワーアップした「METALVERSE」の”出現”を飾るオープニングとなった。

続いてスウィングジャズのドラムに合わせて「Hello! 豊洲PIT! 盛り上がる準備は出来てる?」と早くもオーディエンスを煽り、「Hey! Hey!」とオーディエンスも声と拳を上げ、一気に会場のボルテージがヒートアップすると、昨年のサマソニでも披露した「METALVERSE」オリジナルの“スウィングメタル”とも言えるアッパーチューン「Crazy J」がスタート。照明も一段と明るくなり、前回から一新されたレイクブルーとエメラルドグリーンを基調としたバトルスーツやインナーカラーがアップデートされたヘアースタイルなどもはっきりと見分けがつくようになった。中盤のコールアンドレスポンスで5人のメンバーが迫り出したフロントステージへ出てくると、「一緒にSwingしよう!」と呼びかけ、早くも会場がひとつになって盛り上がる。

先程とはガラッと雰囲気が変わり、4つ打ちのラテンビートをベースにしたサウンドと食べ物がたくさん登場するユニークな歌詞が印象的な「Si Si」へと続く。カラフルで可愛らしく、コミカルなフォーメーションダンスで一瞬にして景色を変えてしまうパフォーマンス力はまさにマルチバースプロジェクトの本領発揮というところだろう。

HIP HOPを彷彿とさせるトラップのBGMと照明がフロアを煽ると、ライブ初披露となる「Get Down」へとステージは移動する。乾いたギターサウンドに気だるい雰囲気のボーカルでスタートすると、先程の可愛らしい表情から一瞬にして大人びた表情へと変化するメンバーたち。まさにイベントタイトルにもなっている「THE END OF THE INNOCENCE」を象徴するようなパフォーマンスにドキッとさせられる。

「キュン!」というキャッチーなフレーズとダンスがリフレインする「Qn」では、青春ど真ん中な可愛らしい内容の歌詞と「バキュン!」とオーディエンスを打ち抜くダンスパフォーマンスにZ世代の彼女たちの等身大の姿が見え隠れする。80’s POPSと80’sハードロックサウンドが行ったり来たりするようなサウンドアレンジもユニークだ。

ハリウッド映画を彷彿とさせる重厚感のあるサウンドをバックに「THE END OF THE INNOCENCE」をテーマにしたストーリームービーを挟み、ダウンチューニングのヘヴィなリフとトラップのリズムが異次元のブルータルなグルーヴを生み出す「GIZA」へと突入する。LEDスクリーンに映し出される映像やレーザーや照明によって真っ赤なワールドへと染まったステージで、キレッキレのダンスとハイトーンボイスが絡み合う彼女たちの世代を超えたパフォーマンスに思わずフロアから「カッコイイ!」と言葉が漏れる。

続く「Endless World」はライブ初披露だったが、エネルギッシュなロックサウンドをベースに力強いダンスパフォーマンスとキャッチーなメロディーが印象に残った楽曲で、儚げな世界の中に一筋の光が差し込むような、見る者聞く者に勇気と希望を与えるような、そんな爽快感に溢れていた。

Rolling Stone Japan 編集部

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