エド・シーラン来日公演レポ 美メロと伸びやかな歌、雄弁なギターが融合

エド・シーラン(Photo by Mark Surridge)

エド・シーラン、4年9カ月ぶりの来日公演であり、2度目となる日本でのドームツアー「Ed Sheeran +-=÷x Tour 2024」を完遂。ここでは1月31日の東京ドーム公演、ライターの小松香里による本誌独自ライブレポートをお届けする。

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アリーナエリア中央に円形ステージが設置され、その上にあるLEDビジョンにカウントダウンが映る。ゼロになった瞬間、ステージ上にはエド・シーランの姿。大歓声の中、「Tides」からライブはスタート。演奏中、楽しそうに「気分はどう?」とオーディエンスに話しかけるともちろん、「YES」という反応があちこちから上がった。

続いてクリス・ステイプルトンとブルーノ・マーズとのコラボ曲であるロックナンバー「BLOW」を披露し、「東京、どう?」と問いかけてから、アコギに持ち替えて「I‘m a Mess」へ。回転するステージ上でループステーションを使い、空いた手でハンドクラップ。巧みにギターを紡ぎ、どんどんエモーションを高め、数万人のオーディエンスを掌握していく。左手でマイクを持ち、右手を上げ、360度ぐるぐる走り回りながら、オーディエンスに語り掛けるようにして歌う。エドはフロントにもバックにも「TOKYO」とプリントされたTシャツを着ており、ファッションからして日本愛を感じさせるのだが、パフォーマンスの隅々からも愛が溢れていた。


Photo by Mark Surridge

「東京に来るのがずっと夢だった。初めて来たのは2012年のフジロックの時。当時はまだ僕の音楽を知っている人は少なかったけど、またこうして来られて嬉しい。僕の音楽を聴き続けてくれるみんなに感謝している」と嬉しそうに話すエドに拍手が送られた。その後、エドがアコギで「The A Team」を歌うとスマホライトが一斉に照らされた。エドが「歌って!」と言うと、大合唱が巻き起こった。

バンドはいるが、ループステーションを多用し、美しいメロディと繊細で伸びやかな歌、雄弁なギターというエドのライブのうま味を最大限味わえるような内容だった。エドの人間味もあり、ドームであることを感じさせないほど、その距離感は近く、親密な空気が流れていた。オーディエンスは大いに歌い、歓声を上げ、スマホライトを照らし、尊い時間を楽しんでいた。エドは「日本のオーディエンスは静かで、昔は僕のことを好きでいてくれるのかなと思ったこともあったけど、これは文化の違いで、音楽をしっかり聴いてくれているんだよね」と嬉しそうに伝えた。


Photo by Mark Surridge


Photo by Mark Surridge

エミネムとの「River」、ファイヤーボーイDMLとの「Peru」、カリードとの「Beatutiful People」、カミラ・カベロ&カーディー・Bとの「South of the Border」、ジャスティン・ビーバーの「I Don’t Care」と、数々のアーティストとのコラボ曲をメドレーで披露する場面もあった。ジャスティン・ビーバーに提供した「Love Yourself」はアコギ一本でのセルフカバー。改めてその名曲ぶりに惚れ惚れした。

オールタイムベストのようなセットリスト。この日だけのスペシャルがONE OK ROCK・TakaとのONE OK ROCKの代表曲「Whatever You Are」のデュエットだ。東京ドームの2日前、渋谷で開催されたTakaのプライベートパーティーにエドが登場する等、仲が良いことで知られる2人だが、マイクスタンドの前に立つエドにTakaが寄り添い、見つめ合い、世界最高峰の美声を響かせ合う姿はなかなか見られるものではない。


Photo by Mark Surridge

アンコールはジャイアンツのユニフォームに着替えたエドが超絶なギターテクニックとボーカルゼーションを見せつけた「You Need Me, I Don't Need You」からスタート。パワフルなラップも披露し、“You Need Me, I Don't Need You”のコール&レスポンスでも盛り上がった。約7年前、世界中を席巻したあのイントロが流れ、「Shape of You」へ。もちろん最初から最後まで大合唱が巻き起こった。エドが「もう1曲欲しい?」と問いかけ、最後は「Bad Habits」。ステージから炎が上がる中、エドとオーディエンスは思いっきりジャンプ。ピースな空気に溢れたライブは大団円を迎えた。

→今回のセトリのプレイリストはこちらから
https://edsheeranjp.lnk.to/tour

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