IO、即完のZepp DiverCityでワンマン『four Show』完遂

IO(photo by cherry chill will.)

東京のラッパー・IOが、4thアルバム『four』を引っ提げたOne Man Live「four Show」を自身過去最大となるZepp DiverCityにて開催。即完となっていた会場には満員の2400人が来場。当日はABEMAでの配信も行われた。本公演のオフィシャルレポートを掲載する。

2023年11月に発表した4thアルバム『four』を提げて全国ツアーを行なってきたIOが、ツアーを締めくくるべく「four Show」と題したワンマン・ライブをZepp DiverCityにて行った。自身としては最大規模となる単独公演だ。

まず客席に響き渡ったのはMELRAWによるギターのサウンド。ゆっくりと舞台の幕が開いていき、なんとステージ上に登場したのは、ガードレールや街頭、フェンスや電話BOXが佇むフォンブースといった大掛かりなセット。IOへの歓声が高まる中、スモークの奥からゆっくりと本人が現れる。ギターの余韻を残しながらマイクスタンドを片手に一曲目の「Sequence」が始まり、いよいよライブの本編がスタートした。前半は、最新アルバム『four』の楽曲を中心にグイグイと客席の温度を温めていく。続く「Honto」ではWatsonが加わり、「左利きのBenz」、注目の新鋭ラッパーであるKohjiyaを迎えた「Racin’」、「AMIRI DENIM」が続き、都度客席からもリリックを熱唱するレスポンスが。セットの中に紛れていた$MOKE OGが「Raise」に加わる演出も粋だった。2ndアルバム『Mood Blue』からの「Notis」を皮切りに、ステージの雰囲気に変化が訪れる。荒田洸がドラマーとしてステージに加わり、ソウルフルにドラムの音を打ちつけていく。一瞬の静寂の後、インプロビゼーション的なフリースタイル・セッションを楽しむかのように初期の代表曲「Dig 2 Me」、そして「Pursus」へ。ここで、昨年3月に終演を迎えたKANDYTOWNから最初の刺客、DIANが登場し、オーディエンスの熱気はさらに増していく。

興奮の熱を繋いでいくかのように、続く「Your Breeze」ではYo-Seaが参加。割れんばかりの歓声を浴びながらヴァースを歌いきり、舞台のセット上にGottzの姿が加わる。そのまま三者で「Sunset」を披露し、客席からの合唱の声も最大級に。「Last Week(remix)」のイントロが流れMUDも登場すると、さらにオーディエンスも盛り上がり、自然に跳ねながらの大合唱モーメントが生まれた。

その盛り上がりをクールダウンさせるかのごとく、雨音のSEとともにDJ KORKによるインターバルへと移る。ジャジー&チルなムードの中、「6 In Da Morning」へ。ゲストのJin Doggは、なんとステージ脇に設置された電話BOXのセットの中から登場し、観客を驚かせつつも圧巻のヴォーカルを聴かせた。同時に、サックスを携えたMELRAWもステージに登場し、より色濃いムードを作り上げていく。改めて、ステージ上にはキーボードの宮川純、ドラムの荒田洸、そしてギター/サックスのMELRAWといったバンドメンバーが勢揃いし、楽曲のビートはさらに芳醇なものに。そのまま「Mood Blue」が奏でられ、贅沢なトリオ・セッションを聴かせる。バンドのノリも最高な中、「Kidy」へと続き、「Curtain Call」のリリックを織り交ぜたアレンジで楽しませていった。ドラマチックなピアノソロに続くのは「Tokyo Freeway」。満を持してKEIJUが登場し、客席の一体感もさらに高まっていく。鍵盤の音が印象的なアレンジの「Faded」や「Bill.」では成熟したIOの魅力を存分に感じさせ、続くDJ KANJI名義の楽曲「Lowkey」ではMALIYAと3Houseも加わり、ライブにロマンチックでセンシュアスなムードを添えた。

間髪入れずにDJブースから流れてきたのは、DJ TATSUKIが放ったアンセム、「TOKYO KIDS」のイントロ。「TOKYO!」とIOがシャウトし、MonyHorseも加わって、再度会場はパーティーの雰囲気に。続いて同コラボによる新曲(タイトル未定)がサプライズ披露され、アグレッシブに畳み掛けるラップを披露した。

真っ赤な照明へと変わり、「R.T.N」のイントロと共にRyohu、MASATO、Dony Joint、BSCの面々がステージへ登場する。客席の奥まで一斉にオーディエンスの手が上った。DJブースにもメンバーが溢れ、「KANDYTOWN FOR LIFE!」とシャウトし、KEIJU、Holly Q、Gottzと共に「You Came Back」へ。馴染みのグルーブ感がステージを包んだ後、ライブはいよいよクライマックスへ。90分を超えるステージのエピローグを飾ったのは、1stアルバム『Soul Long』からの「City Never Sleep」。哀愁漂う流麗なストリングスが飾るビートとIOのライムが、彼からの置き手紙となった。

2016年のソロ・デビューから実に8年が経過し、今や多くのフォロワーを熱狂させる、カリスマMCとしての覚悟と余裕が漂うパフォーマンスだった。また、総合演出を務める山田健人による近年のHIP HOPにおけるライブ演出とは一線を画すストリートを模したセットも、これまでIOがレプリゼントしてきた、そしてルーツとしてきた東京のHIP HOPのヴァイブスを伝えるのには打ってつけの演出であり、シネマティックな感動すら覚えた。雑踏のSEと共に舞台を去るIO。最後の余韻まで計算され尽くした贅沢なステージだった。

text by Shiho Watanabe

️One Man Live「four Show」概要
2024年1月25日(木)Zepp DiverCity
セットリスト
1. Sequence
2. Honto feat.Watson
3. 左利きのBenz
4. Racin’ feat.Kohjiya
5. AMIRI DENIM
6. Raise feat.$MOKE OG
7. Notis
8. Dig 2 Me
9. Pursus feat.DIAN
10. Your Breeze feat.Yo-Sea
11. Gottz - Sunset feat.IO, Yo-Sea
12. Last Week (Remix)feat.Gottz, MUD
13. 6 In Da Morning feat.Jin Dogg, MELRAW
14. Mood Blue
15. Kidy
16. Tokyo Freeway feat.KEIJU
17. Faded
18. Bill.
19. DJ KANJI – Lowkey feat.MALIYA, 3House & IO
20. DJ TATSUKI - TOKYO KIDS feat.IO, MonyHorse
21. DJ TATSUKI – unreleased feat.IO, MonyHorse (※新曲・タイトル未定)
22. R.T.N feat.Ryohu, IO, MASATO, Dony Joint, BSC
23. You Came Back feat. KEIJU, IO, Holly Q, Gottz
24. City Never Sleep

Musician:MELRAW(SAX, Gt), 荒田洸(Dr), 宮川純(Key), KORK(DJ, MP), Minnesotah(autotune)
Producer:Kento Yamada

配信チャンネル:
ABEMA HIPHOPch https://abe.ma/3SuxQ1C
ABEMAプレミアム https://abe.ma/3SjvrXt



<ライブ情報>

2024年5月5日(日)ビルボードライブ大阪
1stステージ 開場16:00 開演17:00 / 2ndステージ 開場19:00 開演20:00
2024年5月16日(木)ビルボードライブ横浜
1stステージ 開場17:00 開演18:00 / 2ndステージ 開場20:00 開演21:00
2024年6月4日(火)ビルボードライブ東京
1stステージ 開場17:00 開演18:00 / 2ndステージ 開場20:00 開演21:00
チケットスケジュール:
最速抽選先行=2024/2/21(水)10:00~3/3(日)23:59|抽選 (e+)https://eplus.jp/io-bbl/
Club BBL会員先行=2024/3/15(金)正午12:00|先着(BBL)
一般予約受付開始=2024/3/22(金)正午12:00|先着(BBL/ぴあ/e+)

️「Billboard Live Tour 2024」最速抽選先行
期間:2月21日(水)10:00~3月3日(日)23:59(※抽選)
URL:https://eplus.jp/io-bbl/

Rolling Stone Japan 編集部

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