マネスキン、再び日本に旋風を巻き起こした4人が「怒涛の一年」を総括

Photo by Haruki Horikawa

マネスキン(MÅNESKIN)が12月25日発売「Rolling Stone Japan vol.25」に登場。初のジャパン・ツアーで再び旋風を巻き起こした4人が怒涛の一年を振り返る。日本で撮り下ろした美麗フォトも必見。以下、本インタビューの冒頭部分を先行公開。

彼らが2021年のユーロヴィジョン・ソング・コンテストで優勝した時、2年半後には日本で4夜のアリーナ公演を軽々と売り切るまでに成長するなどと想像だにしなかったが、未だとどまるところを知らない勢いで、単身ロックンロールとミュージシャンシップの復権を推し進めているマネスキン。2023年に入ってからの4人は、年明けに発表した3rdアルバム『RUSH!』を携えてキャリア最大規模のワールド・ツアーに旅立ち、各地で大舞台を踏んでひとつひとつの体験を学びの機会にして、アルバムのデラックス盤『RUSH! (ARE U COMING?)』の発表をもってこのチャプターに終わりを告げようとしている。ジャパン・ツアー初日を前にしてインタビューに応じてくれたダミアーノ、トーマス、ヴィクトリア、イーサンとそんな1年間の歩みを辿り、バンドの現在地を確かめた。(文・新谷洋子)


Photo by Haruki Horikawa, Post Production by Kenneth Pizzo @pizzok


ーマネスキンの2023年は『RUSH!』のリリースで始まりました。3rdアルバムではありましたが、世界的な注目を浴びてから最初の作品とあって、デビュー作を改めて送り出したような意識はあったのでしょうか?

ダミアーノ:そういう部分もあるね。自分たちが新人アーティストだと見做されるだろうことは分かっていたから。でも僕らは特に気にしていなかった。むしろここにきて、新しいオーディエンスに対して自己紹介をするチャンスを得たことを楽しんだよ。

ー今回は全員が納得する曲を作ろうとするのではなく、敢えて各メンバーの異なる音楽嗜好を強調するようにして、多様なサウンドを包含するアルバムに仕上げたと発言していました。そういうアルバムを作ったことで、バンドのケミストリーにも影響はありましたか?

ヴィクトリア:特にそういうことはなかったかな。もちろん当初は、これまでとはやり方が少し違って、こういうやり方に慣れないといけないんだという意識はあった。最初に聞いた時はあまり好きになれなかったり、違和感を覚える曲でも、相手を信用して受け入れなくちゃならなかったから。でも長い目で見ると、自分たちがすごく成長できた気がした。若かった頃はもっとバンド内で喧嘩もして、「黙れ~! 私がやりたいことをやってやる!」みたいな感じだったんだけど(笑)、そういうやり方をしていたら、バンドは続かない。みんなが我を通そうとすると無理が生じるわけだし。本当に今回は学ぶことが多くて、以前にも増していい関係を築けたんじゃないかな。音楽的にもっと深く理解し合うことで、個々の人間としてもより分かり合えたというか、嗜好が異なることは対立を意味するのではなく、違いが私たちをひとつに束ねているんだってこと。

(※本誌記事へ続く)




「Rolling Stone Japan vol.25」
発行:CCCミュージックラボ株式会社
発売:カルチュア・エンタテインメント株式会社
2023年12月25日発売
価格:1100円(税込)

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