ブラーが明かす「全く予定外だった」再集結の裏側

ツアーの展望「新たな一面を見せられるだろう」

ニューアルバム『The Ballad of Darren』には、バンドの歴史をバックグラウンドにした曲も収録されている。デーモンが2003年に作ったソロ曲のデモバージョンを基にしたオープニングトラック「The Ballad」は、バンドのセキュリティ責任者を長く務めたダレン・“スモッギー”・エヴァンスが大いに貢献した作品だ。「かなり前にデーモンが書きかけて、未完成のまま放置されていた」とデイヴは証言する。「スモッギーが、未完成だが素晴らしい曲があったことを記憶していた。ある時スモッギーがデーモンに、あの曲をぜひ完成させるべきだと直談判したのさ。その結果が、“The Ballad of Darren(ダレンのバラード)”さ。」

レコーディングの主要パートを終えたメンバーは、それぞれ別の生活へと戻っていった。「デーモンは、イングランド西部のデヴォン州にある自宅へ引きこもった。人里離れた静かな田舎で、とても落ち着く場所だ」とアレックスは言う。「彼はのんびりとくつろぎながら、ボーカルに磨きをかけているのさ」。

デイヴは「デーモンを差し置いて歌詞の内容について語るのはやめておくが」と前置きした上で、「個人的な感想では、かなりパーソナルな内容で、デーモンの本領が発揮されていると思う」と続けた。

バンドのリズムを支えるアレックスとデイヴは、それぞれがくつろげる場所からオンラインでのインタビューに応じてくれた。アレックスはオックスフォードシャーに所有する農場で、バンド活動の合間にさまざまなチーズを作っている。「引退後に農場暮らしをするミュージシャンも多い。長年のツアー生活の反動だと思う。どこかに根を下ろして、少しゆっくりすることも必要だ」。

バンドでベースを担当するアレックスは、この頃気分が良い。ブラーが再結成した上に、自分たちが期待した以上の新作が生まれているからだ。「これまで一緒にやってきた時間は、何事にも変え難い貴重なものだ」とアレックスは言う。「でも僕ら自身が誇れるアルバムをリリースできることで、これからのツアーでは全く新たな一面を見せられるだろう。単に昔を懐かしむだけのコンサートにはならない」。

ウェンブリーでのコンサート後の年内は、ヨーロッパ、日本、南米をツアーで回る。2015年にマディソン・スクエア・ガーデンとハリウッド・ボウルでそれぞれ1回ずつ印象的なコンサートを開催した北米に関しては、もうしばらく待つ必要がありそうだ。

「馴染みの曲の中には、コンサート前にリハーサルすらしないものもある。何度も繰り返して新鮮さを失いたくないからね」とアレックスは言う。「またあの頃のサウンドを出せるのが、本当に楽しみだ」。

From Rolling Stone US.

※Rolling Stone Japanはデーモン・アルバーンへの独自インタビューを実施、後日アップ予定。




ブラー
『The Ballad of Darren』
2023年7月21日(金)リリース
国内盤CDボーナス・トラック収録
予約:https://blur.lnk.to/TBOD

限定グッズ購入:https://store.wmg.jp/collections/blur/


SUMMER SONIC 2023
2023年8月19日(土)〜20日(日)
東京:ZOZOマリンスタジアム&幕張メッセ/大阪:舞洲SONIC PARK(舞洲スポーツアイランド)
※全券種ソールドアウト、ブラーは19日・東京/20日・大阪に出演
公式サイト:https://www.summersonic.com/

Translated by Smokva Tokyo

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