カバー動画で総再生回数37億回を誇るJ.Fla、オリジナル曲で語った激動の半生

J.Fla(©GOODSEN ENTRTTAINMENT)

韓国のYouTuber/シンガーソングライターのJ.Fla(ジェイフラ)が、10年ぶりのオリジナル・アルバム『Burn The Flower』をリリースした。2011年、歌を届ける場所としてYouTubeチャンネルを開設。現在は登録者数1760万人、動画総再生回数37億回を誇るまでになった。約10年間、洋楽/K-POPを中心に多数のカバー動画を投稿してきたが、今回のアルバム『Burn The Flower』は、彼女自身が経験してきたパーソナルなトピックがインスピレーション源となっている。

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—10年ぶりのアルバムで、作詞、作曲、編曲、プロデュースも一人で担当している。なおかつJ.Flaさんの半生が凝縮された内容ということで、最初は「気合を入れて聴かなくては!」と思っていたんですが、実際にはとても晴れやかな気持ちで全10曲を楽しみました。こういったパーソナルな作品は、捉え方によっては重たくなってしまいがちですが、いい意味でコンパクトにまとまっているなと思いました。この作品の全体像は、最初から考えていたものなんでしょうか?

J.Fla:はい。今回は自分の過去を元に曲を作っていったのですが、これまでの歩みを振り返ったときにあらためて、私はとても困難な道のりを歩んできたんだなと感じました。それでも自分の人生をフレッシュに表現したいという気持ちが、今言っていただいたような作品にしたんだと思います。

—とにかく音色が多彩ですよね。カラフルなサウンドで、すごくポジティヴな気持ちになりました。サウンドプロダクションで気をつけたことはありますか?

J.Fla:私よりも編曲が上手い方はもちろんたくさんいらっしゃいますが、私が体験してきた苦しみやムードは、私自身が誰よりもよく知っている。リスナーの方が、私の人生を目の前で見ているかのような世界観を届けられるように、挑戦するスタンスで編曲しました。

—具体的にどんなことに挑戦しましたか?

J.Fla:私は先に歌詞を書いてから作曲をして、最後に編曲するスタイルなんです。今回に関しては一つのジャンルにとらわれず、その時の感覚をいろんなジャンルに乗せていくことが、すごく挑戦でした。特に「Telecaster」が難しかったです。



—僕も「Telecaster」のアレンジは冒険してるなと思いました。EDMっぽい展開も想像していなかったし、サウンドもユニークですよね。「こういうジャンルにしよう」とはあまり考えずに、直感的に作られたアルバムなんでしょうか?

J.Fla:音楽活動を始めたばかりの頃、お金がなくて自分のテレキャスターを売ったことがあって、その状況を愛している人との別れとして表現しているんです。楽しい音楽のジャンルであるEDMのアプローチを取りつつ、私のアイロニーな気持ちを反映させました。

—じゃあ最初からジャンルを決めていたというより、語るべきことがあって、そこに合わせてスタイルを乗せていったんですね。

J.Fla:そうですね。

—「A Four Leaf Clover」という曲は、途中でポエトリーリーディングっぽいボーカルになって、楽器の響きも豊かで、軽やかに駆け抜けていくポップ曲だと思いました。この曲ではどんなことを語りたかったんでしょうか?

J.Fla:とても素敵な出来事について語っています。ある方が四ツ葉のクローバーをくださったことがあって、当時の情景が忘れられなかったんです。その感動した気持ちを音楽で表現することはすごく難しかったんですが、正直に伝えようとしてああいうスタイルになったのかなと思っています。先ほど「軽やかに駆け抜けていく」と表現してくださったんですが、本当にそういう気持ちだったんですね。だけど、その時の私は寂しくもあって。そんな時に、その方が四ツ葉のクローバーをくださった。光と闇のような感情が混在していたので、その気持ちが多彩に表れているのかもしれません。



—昔感じた情景って、J.Flaさんは今でも鮮明に覚えている方ですか?

J.Fla:私の大好きな、音楽という仕事を諦めなければならないかもしれないという壁が、人生に何度かあって。その状況を鮮明に覚えているからこそ私は努力してきたし、それによって不屈の精神が生まれてきたんです。当時はすごくつらかったけど、今こうやってお話ができるようになっていることは、一つ私がそこを乗り越えて強くなれた証拠なんじゃないかなと感じています。

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