「今の僕から20年前の僕、20年前のメンバーに言いたいこと」―『Meteora』は前作以上に枠に収まっていないですよね。ラップがない曲もあるし、ギターリフがない曲もあるし、ハイブリッドはこうあるべきだというしばりからも解放されて、自由度が高くなったと思うんです。サンプリングでもストリングスから尺八まで取り入れて、かなり意欲的に追求していますよね。アルバムの制作中、一番楽しかったのはどういうところでしたか?マイク・シノダ 今話してくれたことは、当時の僕たちにとってスゴく重要なことだったんだ。1stアルバムでは明確なサウンドを打ち出したかったんだけど、2ndアルバムを作るに当たっては、「よし、サウンドを広げなきゃ」って感じだった。新しいことにチャレンジして、レシピを増やしたいと思ったんだ。それに僕たちはヒップホップを聴いて育ったから、自分たちのループ、サンプリング・サウンドを作ることがアルバムのテーマの一つとしてあった。アルバムを聴いてもすぐにはわからないかもしれないけど、ドラムやギターを実際にプレイしてサンプリングしてるんだ。ストリングスにしても、実際にストリングスのグループに演奏してもらって、サンプリングをしてる。当時そんなアプローチでサウンド作りをしてる人はほとんどいなかったと思うんだ。それがどれだけ革新的だったのかはわからないけど、僕たちは新しい領域にチャレンジしてるなとは思ってたよ。
―もし20年前の自分に何か言うことがあるとしたら、どのようなメッセージになりますか?マイク・シノダ 当時は自分の人生がどれだけ大きく変わったのか、振り返って見ることがなかったからね。今の僕から20年前の僕、20年前のメンバーに言いたいのは、こんな感じになるよ。「ちょっと立ち止まって、今のこの瞬間がどれだけ素晴らしいのか、感謝してほしい。時はあまりにも早く過ぎていくし、気づかないままになってしまうから」。自分たちが成し遂げたことは、僕たちが一生懸命やってきた結果のものだった。だけど僕たちは何が起きてるのか気づかないまま、感謝することもなかった。でも同時に、僕たちはベストを尽くすことができた。今振り返ってみて、当時の曲を聴くと、スゴくうれしい気持ちになれるんだ。それに『Meteora』の20周年記念に対するファンの反応をオンラインで見てみると、みんなもあの時代がどんな感じだったのかを思い出してくれてるみたいで、素晴らしいものが多いんだよね。あと、今の10代のキッズが当時の僕たちと同じファッションをしてるのも、スゴくクールで面白いんだ。当時の音楽を聴いて、またライブ・バンドが良いってなってる、そういう時代の流れもいい。5年前とかは、デジタル音楽が主流になりすぎてたけど、今再び若い子たちがギターやドラムを手にして音楽をやってるのは素晴らしいよ。一度演奏のスキルを覚えたら、一生それで楽しめるからね。
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