大江千里は何と戦ってきたのか? ポップミュージックについて語る



田家:大江千里さんデビュー40周年、「今だから語りたいマイ・ソング」。今週のパート3、94年8月に発売になった「夏の決心」をお聴き頂いてます。フジテレビの『ポンキッキーズ』のメインテーマだったそうで。

大江:これは確かツアー中にイタリア軒というホテルに泊まっていた時に、東京から清水信之さんが車でやって来て、僕の部屋で「こんなのできたけどどうかな」ってこの曲を聞かせたんですよ。そしたら「もうこのままイケるよ」って言ってくれたのを覚えていますね。僕のテーマとしては夏休みのうちにやりたいことを100個くらい全部箇条書きにしたノートをピアノの前に置いて、「線香花火にする」とか「下駄を揃える」とか使えそうなフレーズを片っ端から歌詞に乗っけていって作りましたね。

田家:さっきの「maybe tomorrow」のカップリング曲「雪の別れ」は、山田洋次監督の『学校』で流れてるわけでしょ。『学校』には千里さんも出演をされていると。

大江:映画の中で流れるっていうよりは宣伝に使って頂きましたね。映画の中では僕は田中邦衛さんが演じる「イノさん」のお医者さんの役でしたね。

田家:この頃にはドラマ『十年愛』にも出演されていますよね。あと「夏の決心(進め、少年編!)」というタイトルでベストアルバム『Sloppy JoeⅡ』に入っていて、これもテレビ番組『進め!電波少年』に関係しているんですよね。色んなことをやっていた時期っていうことですかね。

大江:色んなことやって「旬だよね」って言われてる時点で、もう食卓に並ぶ時には旬じゃないというか。その手前ぐらいが一番楽しいし、目標もはっきりしてるんだけど。僕も「誰が喜んで聞いてくれているか」って媒体を通してだんだんぼやけてくる感覚がありました。佐野さんが言う「ウスノロ」じゃないけど(笑)そういうのに巻き込まれていって、これからどこに向かっていけばいいのか少し見えづらくなってましたね。

Rolling Stone Japan 編集部

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