Girlpoolが赤裸々に語る過去との闘い、「赦し」という言葉の持つ意味

『Forgiveness』というタイトルの意味

タッカーとティヴィダードは、サンフラワー・ビーンやイヴ・トゥモアとの仕事で知られるオルタナポップのプロデューサー、Yves Rothmanとのコラボレーションにより、その着地点をようやく見出した。作曲にこれまでよりも多くの時間を費やし、次の一手について慎重にプランを練った。

「初めて(アルバムとしての)全体像にフォーカスできたと思う」とティヴィダードは話す。「以前は行き当たりばったりで、曲のポテンシャルを引き出すための余白を持たせることができていなかった」




タッカーの飼い犬がスタジオのハードドライブを倒してしまい、制作途中だった3曲のデータを消失するなど、いくつか予想外のアクシデントにも見舞われたものの、今作『Forgiveness』はガールプールのキャリアの集大成というべき内容となっている。ダークなゴスポップの「Country Star」(「カウボーイと恋に落ちるっていう妄想についての曲」とタッカーは話す)から、ゴージャスで胸を引き裂くようなバラード「Butterfly Bulletholes」、そしてティヴィダードが深刻なほどの二日酔いを経験した朝に30分で書き上げたというリードシングル「Faultlines」まで、『Forgiveness』のトーンとスケール感は極めてダイナミックだ。

「自分っていう存在が脅かされているみたいだった」と彼女は話す。「体と心をまるで大切にできていなくて、私はボロボロになってしまってた。生きていることの喜びを取り戻すには、自分の一番深い部分と向き合うしかないと思った」


Photo by Alexis Gross

『Forgiveness』は欲望と肉体、赦免と罪に根ざした物質的なレコードだ。アルバム中4曲で「sin」という言葉が使われており、アルバムのタイトルを『Sin Boy』とすることも考えたという。

それでも2人が『Forgiveness』という言葉を選んだ理由について、ティヴィダードは「私たちが生み出していた広大な心象風景を表現していたから」だと語っている。

タッカーもまた、赦しという概念に強く惹かれている。「そのコントロールや変化に対応できない場合に、苦しみや怒りが生まれる。そこから逃れるには、赦しによって自分を解放するしかない」と彼は話す。

「それが唯一の退路であって、抵抗の対極にあるものなの」とティヴィダードは話す。

タッカーは最後にこう付け加えた。「同時に、前に進むための唯一の手段でもある」

From Rolling Stone US.




ガールプール
『Forgiveness』
発売中(2022年4月29日リリース)
視聴・購入:https://silentlink.co.jp/forgiveness09

Translated by Masaaki Yoshida

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