ローリングストーン誌が選ぶ「2018年ベスト・ムービー」トップ20

左から時計周りに:『ROMA/ローマ』、『女王陛下のお気に入り』、『グリーン・ブック』、『アリー/スター誕生』ローリングストーン誌が選ぶ2018年ベストムービー20選


3位『ブラック・パンサー

初の黒人ヒーローの映画化に、マーベルは長いこと二の足を踏んでいた。興行的にうまくいくはずがないだろう、と思っていたのだ。笑わせるぜ! 主演のチャドウィック・ボーズマンが架空のアフリカの王国ワカンダの王を演じ、悪と戦う『ブラック・パンサー』は世界中で大成功を収めたばかりでなく(全世界の興行収入は14億ドル)、マーベル・シネマティック・ユニバース史上最大のヒット作となった。監督のライアン・クーグラーの手腕により(代表作に『フルートベール駅で』『クリード チャンプを継ぐ男』)、究極の悪役を演じたマイケル・B・ジョーダンや最強4人娘(ルピタ・ニョンゴ、ダナイ・グリラ、レティーシャ・ライト、アンジェラ・バセット)をはじめとする豪華俳優陣がスクリーン上で競演。コミックものはどんなに頑張ってもオスカー作品賞候補にはなれない、なんて誰が言った?今まさに、革命が起きつつある。

2位『アリー/スター誕生

ブラッドリー・クーパーが全精力を傾けた初監督作品であり、レディ・ガガが映画俳優へ華麗な転身をとげた作品。「女が成功し、男は落ちぶれる」というショウビズ界のおとぎ話のリメイクはこれが4度目だが、2人の存在が作品に息を吹き込んだ。クーパーの繊細な演出で――演技は最高、歌のほうも粗削りながら意外といける――「しょせん21世紀のロック版でしょ」と大勢がタカをくくっていたリメイク版は心にしみる秀作に早変わり。「アウト・オブ・ザ・シャロウ」を含む本気のサウンドトラックも最高。なんだかんだいいながら、結局みんなのお気に入り作品となった。※日本は、12月21日より劇場公開中

1位『ROMA/ローマ

年間最優秀作品に求められる条件とはなんだろう?詩的で、奥深く、まばゆいほどに美しいこの作品を観ればわかる。アルフォンソ・キュアロン監督は、1970年代にメキシコシティの郊外ローマで育った実体験からこの作品を完成させた。のちに暴力へと発展する学生闘争など、当時の政治情勢を背景に浮かび上がってくるのは、離婚や家庭内の不和といった個人の物語。そこへ登場するのが家政婦クレオ(ヤリサ・アパリシオの演技が印象的)。自らの人生が崩壊する中、勤め先の家族がバラバラにならないよう画策する。キュアロン監督はこの作品を、全編スペイン語のモノクロ・インディーズ映画に仕上げた。多くの人々はこの作品をNetflixで眼にすることになるだろうが、ありがたいことに、ストリーミング会社はこの秀作を先に劇場公開してくれた。おかげでオスカーの選考対象となった上、観客も監督のイメージを巨大スクリーンで堪能することができた。映画鑑賞の環境が様変わりしつつある今、『Roma』は優れた作品であるだけでなく、業界の在り方をも変えた。※Netflixにて公開中


















Translated by Akiko Kato

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