G1 CLIMAXの劇的な勝利で、外国人レスラー初のG1覇者となったケニー・オメガ。1.4東京ドームではIWGPヘビー王座に挑む。2016年、誰もが認めるカリスマとなった男がプロレスを変える。
「昔はウィニペグのローカルプロレスラーにすぎなかったし、大した実績もなかった。だけど、なぜかもっとできる――という確信みたいなものはあったんだ」2016年の
ケニー・オメガは圧倒的だった。プリンス・デヴィット、AJスタイルズに続きバレット・クラブの三代目リーダーとして縦横無尽に活躍。この一年で中邑真輔、棚橋弘至、オカダカズチカ、後藤洋央紀、内藤哲也に勝利し、その強さをしっかりと見せつけた。第13代IWGPインターコンチネンタル戴冠、第4代NEVER無差別級6人タッグ戴冠で2冠王、8月のG1 CLIMAXでは外国人プロレスラー初制覇。そして、2017年1月4日の
戦国炎舞 ―KIZNA― Presents WRESTLE KINGDOM 11 in 東京ドームでは、オカダ・カズチカとのIWGPヘビー級選手権試合を控えている。最強の名に相応しい実績を持つケニーが、現王者にどんな戦いを繰り広げるのか? 今回のインタヴューでは彼のパーソナルな面にフォーカスを当て、そのプロレス観をあぶり出してみた。
俺は自分の夢を叶えるかわりに、普通の幸せを捨てたんだよ―ロックコンサートへ行った思い出はありますか?ケニー・オメガ(以下、ケニー):子どもの頃、親父と一緒にボン・ジョヴィのコンサートに行ったことがある。会場はカナダのウィニペグ・スタジアム。今は無いフットボール・スタジアムで、超満員だった。親父がロック好きで、当時の俺はボストン、ジャーニー、フリートウッドマック、シカゴのCDを聴いていた。ただ、子どもの頃の夢はアイスホッケー選手かプロレスラーになることだったから、ロックスターになろうとは思わなかった。
―ウィニペグはどんなところですか?ケニー:とにかく広い。あと天気が世界で一番極端というか、夏と冬で寒暖差がすごく激しいんだ。
―故郷から早く抜け出したいっていう気持ちはありました?ケニー:15歳になって世界がどれだけ広いか見てみたいと思った。東京にも行きたかったしね。とにかく外に出ないとスーパースターにはなれないと何となく分かってたんだろう。でも、俺の友達はウィニペグで今も暮らしているし、彼らはとても幸せだ。俺は自分の夢を叶えるかわりに、そういう生活は捨てたんだよ。
―WRESTLE KINGDOM 11では父親と母親が観戦しに来るそうですね。ケニー:両親は2002年から俺の試合をずっと観たいと言ってくれていたが、なかなか叶わなくてね。2012年に自分が日本武道館のメインマッチに出ることになったときは、仕事があって来れなかった。2015年は病気で来れなかったんだ。でも、いいタイミングで試合を観てもらうことができて、とてもラッキーだ。
―両親と普段から連絡のやり取りはしてるんですか?ケニー:スカイプはそんなにやらないが、メールでやり取りしてる。巡業中はバスでずっとメールしてるね。ウィニペグの天気の写真とか実家で飼ってるペットの写真とか送ってくる(笑)。犬2匹、ネコ1匹、鳥3匹、サンショウウオ1匹、いろいろ飼ってるんだ。俺が実家にいた頃に飼ってた鳥とサンショウウオは今も生きてるね。