ジーン・シモンズが明かす、ヴァン・ヘイレンとのコラボ曲リリース:「あのバンドを発掘したのは俺だ」

「ふたりは引き受けてくれた」と、70年代半ばに行われたもうひとつのセッションを振り返ってシモンズは話す。「俺が書いた3曲をレコーディングした。俺はツアーの途中でロサンゼルスにいて、アレックスとエドに電話して、"あのさ、3曲できてるんだ。午後2時にはスタジオに入れる。手伝いに来てもらえないかな?"って聞いた。いつもなら、できるだけ自分でギターとドラムを入れて仕上げるんだけど、1曲じゃなくて3曲やりたかったからさ。『クリスティーン・シックスティーン』は、俺がキーボードとその他で、エドがリズム・ギターとベースにソロを入れて、アレックスがドラムをやった」

セッションの出来が良すぎたため、77年のアルバム『ラヴ・ガン』にこの曲を収録する際のレコーディングにも影響を及ぼした。「バンドに曲を聴かせた。エースには災難だったな。エディのソロを一音一音そっくり覚えさせたから」とシモンズは話す。「あいつは嫌がったけど、今思えば、理想的なソロだった。ありきたりのブルースみたいなものとは一線を画すね」― このほかにも、シモンズはヴァン・ヘイレン兄弟と、『ガット・ラヴ・フォー・セール』(同じく『ラヴ・ガン』に収録)と『愛のトンネル』(シモンズによって再録され、ソロアルバム『ジーン・シモンズ』に収録)の2曲をレコーディングした。

シモンズは、何年も前から企画している超特大ソロボックスセットにこの3曲を収録したいと考えている。「本当は『モンスター』ってタイトルにしたかったんだけど、2012年に出したキッスのアルバムタイトルに使っちゃったから、『アルター・エゴ』(分身)にしようかな」と彼は話す。「未発表曲を150~200曲入れる予定だ。ジョー・ペリーがギターの『モンゴロイド・マン』とか、クールな曲ばかりだよ」

発売に向けての唯一の障害は、流通だ。「イーグル・ロック、ユニバーサル、それにウォルマート。数社の優良企業と交渉中だ」とシモンズは話す。「流通モデルが整うまで、粘るつもりだよ」

70年代のヴァン・ヘイレンとの関係について、キッスのメンバーとマネージャーのビル・オーコインがデモにあまり関心を示さなかったのでコラボをあきらめたと、シモンズはかつて語っている。ブレイヴ・ワーズのインタビューで、「デモを返して、ツアーが終わったらどこかのレーベルと契約させてやると話した。それまで、俺との契約を破棄して自由にしてやったんだ」と彼は話している。「ヴァン・ヘイレンがワーナー・ブラザーズと契約したのは、そのすぐ後さ」


Translation by Naoko Nozawa

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