グランジ全盛時代にロック・バンド、スクリーミング・トゥリーズのフロントマンとして活躍していた頃から、バリトン・ヴォイスで吠えるマーク・ラネガンは、生々しく不気味なプリミティヴィズムを追求していた。そしてこのアルバムも、まさにその21世紀版と言える。この『ファントム・ラジオ』はFunkBoxというiPhone用アプリを使用してレコーディングされている。そのサウンドは、連続殺人犯が人里離れた深い森の隠れ家で、孤独なダンス・パーティをしているよう。まるでオルタナ・ロック界の嘆きのレナード・コーエンとしての地位を確立しようとしているみたいだ。

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