カイゴが語る、名曲をリミックス/リメイクする理由、トロピカル・ハウス発祥の裏側

左からカイゴ、ザック・エイベル

ダンス・ミュージックのスーパー・プロデューサー、カイゴが新曲「For Life feat. Zak Abel & Nile Rodgers | フォー・ライフ feat. ザック・エイベル&ナイル・ロジャース」をリリースし、ミュージックビデオを公開した。同曲は2000年にリリースされた、フランス出身のハウス・デュオ=モジョのヒット曲「Lady (hear me tonight)」をサンプリングした楽曲。原曲の印象的なサビに、カイゴ特有のメロディのアレンジが加わり、見事にオリジナルの魅力を引き出しながらも、高揚感溢れるモダンなダンス・ポップ・トラックへと生まれ変わらせている。



トロピカル・ハウスの火付け役でもあり、名曲のリミックス、リメイクでも知られるカイゴ。全世界で大ヒットした2016年のデビュー・アルバム『CLOUD ININE』を始め、『KIDS IN LOVE』『GOLDEN HOUR』『THRILL OF THE CHASE』と、アルバムを出すたびにアプローチを変えてサウンドも進化。美しいメロディ、最新のサウンドという軸はぶれないまま、ジャンルを超えたグッド・ミュージックを聴かせてきた。

2024年1月28日にさいたまスーパーアリーナで行われたGMO SONICに出演するために来日したカイゴ。今年1月29日には「 Whatever (with Ava Max) | ホワットエヴァー feat. エイバ・マックス」をリリース。今回のインタビューはその来日時のものだが、この時点でニュー・アルバムは80%出来ているとのことだった。

ー新曲「Whatever」が出ましたが、この曲はシャキーラのヒット曲「Whenever, Wherever」へのトリビュートになりますね。

シャキーラのクラシック・ソングを基に作ってるからね。今のところ良いリアクションをもらえているよ。



ーシャキーラのあの曲を選んだ理由は?

デモを聴いて一発で好きになったんだよ。あのメロディはすぐに覚えてしまうからね。それで僕がプロデュースに取りかかって、エイバ・マックスをボーカルに迎え、リリースすることになるんだけど、デモを聴いた時にこれは大ヒットするという予感がしたんだよね。

ー客演にエイバ・マックスを起用したのは?

エイバと初めて出会ったのは2年ぐらい前だけど、その時以来何か一緒にやろうという話はしてたんだ。この曲は彼女と一緒にやるのに最高の曲だと思ったんだ。だから、ごく自然な流れで彼女と一緒にやることになったんだ。

ーシャキーラのオリジナル曲をベースに、どのようなプロセスで曲を形にしていったのですか? 

シャキーラのオリジナルのメロディがありつつも、僕は新しいバージョンを作りたかった。僕はメロディを考える時、オリジナルとは全く関係のないドロップを作りたいんだよね。それで、オリジナルとは違う部分がありつつも、シャキーラのコーラス部分の良さは残しておきたかった。制作の方は、ノルウェーの自宅に戻って、いろいろトライや実験をくり返して進めていったよ。アイデアはたくさんあったし、いろいろやってみたけれど、結局今のドロップに入ってるメロディに落ち着いた感じなんだ。



ー歌詞を変えているのも面白いですよね。シャキーラのオリジナル曲では「私たちは一緒になる運命」と歌っているのに、「Whatever」では恋愛関係の終わりを歌っていますね。

真逆だよね(笑)。このアイデアは僕も気に入ってるんだ。シャキーラの「私たちは一緒になる運命」というラブストーリーが、愛の終わりに変わってしまってるからね。

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