モー娘。譜久村聖と井上春華が語る、モーニング娘。として「青春」を過ごす意味

リーダーとして在籍中に考えたこと

—SNS含めて、各メンバーが自分の得意なところでアピールしていく中で、譜久村さんはモーニング娘。のリーダーとして、みんなそれぞれ好きことをやったらいいよって温かい目で見守るタイプなのかなと思うんですけど、ときには手綱をギュっと締めるところもあるんでしょうか。

譜久村:Twitterはマネージャーさんがやってくれてるんですけど、前まではそんなに積極的に更新してなかったんです。でもモーニング娘。が知れ渡るきっかけを作るために、もっと更新してほしいってお願いはずっと前からしていて、最近になってSNSも活発になったなと思います。あと、何でもかんでも好きなものを発信しまくるのは違うと思っていて、良い悪いの境界線は私の中にもしっかりあるので、自分の身の安全は自分で守らなきゃいけないからねって、そういうことを言ったりはしました。でもみんな自分なりの伝え方をしてて、石田亜佑美ちゃんや羽賀朱音ちゃんは文章で伝えることが得意だし、野中美希ちゃんや北川莉央ちゃんはブログで毎日皆さんに質問を問いかけてて素敵だなって思います。ファンの方の一日の楽しみであってほしいので、そういうところでやり方ができるのはいいことですよね。はるさん(井上)がたくさんミントのお菓子を紹介してくれるのも可愛いなって思いますし、それぞれの個性が出てていいなって思います。

—そう考えると、譜久村さんがモーニング娘。で活動していた期間、急激に時代が変わっていったんだなと思って。

譜久村:そうですね。私がハロー!プロジェクトに入ったときって、ハロメン30人以下だったんですよ。それが今は70人くらいいて。そういう変化についていけなくなることもありましたし、仕事に対してもっと厳しかった上の世代と、今みたいに怒ることが少なくなった世代の狭間にいたので、その流れを飲み込むのが難しかったです。以前、和田彩花さんとよくお話ししてたんですけど、一緒に育った人たちとグループの垣根を乗り越えた上で、どのように後輩に伝えていくのかはすごく悩んだなぁと思います。

ーじっくり考えようとしても、それ以上に変化のスピードが速かったりしますよね。

譜久村:私は、モーニング娘。にいる期間で、歴史の重圧を背負いきれなくなったときと、それを乗り越えて「自分も歴史を作ってきたひとりなんだ」って思えたときと、両方あるんです。私はどちらかというと考えすぎちゃうタイプだったと思うんですけど、それをどちらも経験できたことは大きなことだなって思います。ただ楽しくやってる自分よりも、どうやって今のモーニング娘。を伝えたらいいか、もがいて考えた自分でよかったなって今は思えます。グループにいたら楽しいのは当たり前で、何もしなければそのまま時が流れていってしまうけど、そうではなく、自分がモーニング娘。にいた意味を残したいって私は思いましたし、私がどういう目標を持ってモーニング娘。として活動してたのかってことも、うざがられない程度に後輩にも伝えていきたいです。ハロプロ時代から数えて13年間っていう長い期間、モーニング娘。として活動してきたから、そこまでいろいろ考えたと思うんですけど、それでもモーニング娘。として過ごせる青春はこの期間しかないものだから、それをより濃いものにしてほしいと思うし、目まぐるしく過ぎてしまうけど、一つひとつ考えたり、自分磨きしながら生活したり、趣味をお仕事にできる瞬間があったり、やりがいを持ちながらやるほうが絶対楽しいから、モーニング娘。はずっとそういう子たちであってほしいなって思います。個性があって、目的がしっかりある子たちであってほしいです。


井上春華(Photo by Rika Tomomatsu)

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