─そういう意味で、今作のサウンド面での方向性はどういうものでしたか?
安部:あくまでサウンドの面ですが、今回は明確に「もっとパワフルにしてみたい」ってことだったんです。だからアンプとかも60年代より50年代のアンプに
してみたり、マーク・ボラン(T・レックス)のこういうギターの音がいいとか、そういう明確な理想がありましたね。そこは初期からはかなり変わったかもしれない。昔はギターの音はシュワシュワって感じだったり、とんがってたりソリッドだったけど、今は太くて丸い感じの音がいいなって思う。実際に、前まではフェンダーばかり使っていたんですけど、今回はほぼギブソンのギターを使ってるんです。ファースト(『YASHINOKI HOUSE』2015年)から3枚目(『A GOOD TIME』2017年)くらいまでは漠然とインディーっぽさからいかに離れるか、みたいな思いが強く音に出ていたと思います。でも、今はそういうことも考えない。いいと思える音、好きだなと思える音があって。昔だったら出せなかった音、解像度が高すぎない、ちょうどいい塩梅の音というのが理想としてちゃんとあるんですよね。
─時代性と反時代性が交差したところに自分の音の価値観を見つけ、体系的と反体系的なことの間で自分の理想を獲得していく作業ですね。安部:そうですね。やっぱこだわらなきゃダメな領域ってある気がするなとか思って。だから、機材とかももっと買わなきゃなとか、チャレンジしなきゃなとかはすごく考えていますね。そこから自分の音、音楽をちゃんと考えていくというか。
─「文脈」ということですね。安部:そうです。尊敬できるミュージシャンって、ちゃんと文脈を感じるっていうか、そこがあるからやっていけるんだな、歴史に残るんだなって思うんですよ。今まで自分のペースでいろいろと音楽を聴いてきたけど、全然わかってなかったんだなって思いますね。自由に好きなようにやればいいやっていうのは一部のちゃんとしたミュージシャンなんですよ。でも、僕はまだそんなことは言えない。一生勉強だなって思います。自由でいることより勉強っていう気持ちの方が強くなってきてますよ。ちゃんと勉強してから自由がどれだけ怖いことなのかと考えていかないと。今やっと、古い音楽ってこんなかっこいいんだって気付かされて。もっともっと聴いてみたいですね。
<リリース情報>never young beach『ありがとう』2023年6月21日(水)発売形態:12inch Vinyl/digital価格:¥4400(税込)品番:ROMAN-024発売元:Roman Label / Bayon Production流通:東洋化成=収録曲=SIDE A1. 哀しいことばかり2. 毎日幸せさ3. 蓮は咲く4. Oh Yeah5. 風を吹かせてSIDE B1. らりらりらん2. こころのままに3. Hey Hey My My4. 帰ろう★リードトラック:B-4 帰ろう / B-1 らりらりらん- Member -安部勇磨 (Vocal&Guitar)巽啓伍 (Bass)鈴木健人 (Drums)- Support Members -下中洋介 (Guitar) | 岡田拓郎 (Guitar) | 香田悠真 (Keyboard, Piano)<ライブ情報>「never young beach 5th Album “ありがとう” Release Tour」2023年9月28日(木)東京|LIQUIDROOM
2023年10月1日(日)神奈川|BAYHALL
2023年10月4日(水)北海道|PENNYLANE 24
2023年10月13日(金)宮城|Rensa
2023年11月6日(月)愛知|Zepp Nagoya
2023年11月7日(火)大阪|なんばHATCH
2023年11月9日(木)福岡|DRUM LOGOS
2023年11月17日(金)石川|Eight Hall
2023年11月18日(土)新潟|LOTS
2023年12月16日(土)沖縄|桜坂セントラル<DAY1>
2023年12月17日(日)沖縄|桜坂セントラル<DAY2>
【愛知・大阪・福岡・石川・新潟・沖縄】
チケット発売詳細は後日発表
「Yuma Abe “Surprisingly Alright” Show at Sogetsu Hall」2023年8月3日(木)東京・赤坂 草月ホール
OPEN 18:00 / START 19:00
料金:¥5000
出演:Yuma Abe
主催:BAYON PRODUCTION
協力:草月ホール
チケットぴあ
https://w.pia.jp/t/yumaabe-t/e+
https://eplus.jp/yu_ma/official site |http://neveryoungbeach.jp