角舘健悟と山田健人が語る、音楽と映像のブレンドで生まれるものとは?

左から、角舘健悟、山田健人(Photo by 大童鉄平)

2人のアーティスト、クリエイターをゲストに招き、クロストークとライブにて優雅なひとときをお届けするイベント「SUNTORY WORLD WHISKY 碧Ao PRESENTS ~MUSIC LOUNGE~ PREMIUM TALK & LIVE EVENT」が、2022年6月26日、代官山 蔦屋書店「SHARE LOUNGE」で開催された。

第三弾となる今回のゲストは、ミュージシャンの角舘健悟(Yogee New Waves)と映像作家/ミュージシャンの山田健人。2人のクロストークでは、山田が映像監督としてYogee New WavesのMVを手掛けた際のエピソードや、お互いが思う音楽と映像の関係性についてなど内容の濃い話が和やかな雰囲気の中語られた。

有観客で行われた本イベントの会場には、20代から30代くらいであろう参加者が多くみられ、「SUNTORY WORLD WHISKY 碧Ao」を味わいながらくつろいだ様子で、2人の登場を待っていた。

MCを務める音楽ライターの三宅正一に迎えられて、客席からの大きな拍手とともにステージに登壇した2人。まずは、「SUNTORY WORLD WHISKY 碧Ao」が注がれたグラスを片手に、会場の参加者、配信を見ている視聴者と共に乾杯をする。飲んだ感想を訊かれると、普段ウイスキーしか飲まないほどのウイスキー好きの山田は「美味しいですね。お酒を飲みながら(トーク)できるなんて有り難いイベントですね」と語った。最近になってお酒を飲むようになったという角舘も、飲みやすい飲み口の「SUNTORY WORLD WHISKY 碧Ao」を気に入った様子だった。世界5大ウイスキーの原酒をブレンドして作られた「SUNTORY WORLD WHISKY 碧Ao」。バランスの取れた味わいの中に、多様な個性が感じられるこのウイスキーを飲みながら、リラックスしたムードでクロストークは進んでいった。



続いて話題は、2人の出会いについてから、Yogee New Wavesが2015年にリリースした『SUNSET TOWN e.p.』収録曲「Like Sixteen Candles」のMVで山田がカメラアシスタントを担当した際のエピソードへと及んだ。

山田 : 健悟と出会った最初の頃は、ドラマーってイメージがあった。ファンクのバンドでドラムを叩いていたから。それが、2012、13年くらいだったと思う。

角舘 : 初めてダッチ(※山田の愛称)と対面して会ったのは三茶のHEAVEN’S DOORだった気がする。Suchmosのイベントで。

山田 : あーそうだったね。その時はDJやってたよね? ハードテクノ角舘という名前で(笑)。

角舘 : やめてくれ、不思議な誤解を生むから(笑)。その当時、バンドを始める前で色んな音楽を何でもやりたかったんですよね。だからBPM160以上という縛りでのDJをやっていましたね。ダッチの最初の印象は、Suchmosのドキュメンタリー視点の映像を撮っている人っていう感じでしたね。

山田 : 最初にYogeeの映像で表現的に関わったのが、「Like Sixteen Candles」のMVをカメラアシスタントとして手伝った時ですね。



角舘 : あれは凄いクリエイティブで楽しかったよね。

打ち解けた雰囲気の中、出会った当初のお互いの印象についてトークは繰り広げられた。そして、2017年5月にリリースされた2nd『Waves』収録曲「World is Mine」のMVを山田が手掛けた際の制作秘話へと話題は移る。



山田 : 2日間に分けて撮ったよね。現場で「今日終わらないからもう1日撮ろう」ってなった。場所は相模湖の方でしたね。Yogeeに対しては世紀末ヒーローみたいなイメージがあったので、この廃墟みたいな場所とそのイメージが凄くリンクしたなっていう手応えはありましたね。

角舘 : (木更津で撮影された「World is Mine」MVのワンシーンを見て)この時の衣装も持ち合わせだったよね。何を着たらいいか分からないってなって、僕の私服から適当に選んだ気がする。この頃、ダッチがチームワークを駆使し始めた時期だったんですよ。何か凄かったんだよなぁ。一瞬でバババって撮っていくみたいな。前はアザーカットが300くらいある感じだったけど、この時はダッチの頭にあるものをピンポイントで撮っている印象があった。



山田 : そのぐらいから1人で手作りというよりは人と作っていくようになりましたね。

角舘 : あと僕はMV撮影では台本は基本読まずに行くんですよ。分からないまま行った方が楽しめると思っているので。ダッチの現場はそういう意図しない喜びを用意してくれているから、楽しくて好きなんですよね。

山田 : 事前に打ち合わせとかあまりしないもんね。

続いて、2019年12月リリース「to the moon」のMVを山田が手掛けた際の話へと話題は及んだ。



角舘 : 打ち合わせの段階から宇宙に行きたいみたいな提案をさせてもらいましたね。

山田 : そこでワンカットでやろうみたいな話にもなったんだよね。撮影は凄い面白かったな。

角舘 : すっごい楽しかったよね。やりたいことの1個ができた。ずっと「ここではない何処か、ユートピアを探す」っていうのが自分の中の哲学にあったから、映像の中で別の惑星に飛べたのはめちゃめちゃマジックだったな。

山田 : こういう感じのMVって今までYogeeで無かったよね。あとMV制作の最初の段階では、昔の歌番組みたいにセットが変化していくみたいな企画書に書いていて、だからセットがそういう作りになっているんですよ。



2人の個性と才能がブレンドしたことで生み出されてきたこれまでのMVについて、ここでしか聞けない貴重な話が熱く語られたところで、あっという間にトークの時間は終盤に差し掛かる。

最後にMC 三宅からの「音楽と映像が合わさることで生まれるものについて2人はどう捉えているのか?」という問いに対して、2人が各々の考えを赤裸々に語った。

角舘 : 俺がすごく好きなMVは、メロディとか歌詞の裏にあるアティテュードとかを表現しているもの。例えば、鳥になって空を飛んだり、現実で出来ないことを可能にさせてくれる。曲の時点で120%出せるように作っているけど、それを300%くらいにしてくれる存在が映像ですね。曲を作る段階で映像が浮かんでくる時もありますね。どういう視点で曲を書こうとか。

山田 : 健悟はすごくMVが好きなんだろうなとは伝わりますね。よくアーティストからMVを依頼された時に自由にって言われることがあるんですね。でも本当に分からないから自由って場合と、すごく好きだからの自由っていうのがあって、健悟は後者。いい意味で作品ごとに新陳代謝しなきゃいけないって気持ちはある。だからいい緊張感の中、創作活動をやれていますね。今日も会うのは久しぶりなんですけど、その方がいいものづくりが出来ると思います。健悟とこういうペースでやっているのは心地いいですね。音楽と映像の相互作用については、僕の考えをウイスキーで例えると、一次的な表現である音楽がウイスキーだとしたら映像はそのウイスキーの飲み方を決めるみたいなことだと思います。ロックにしようかなとかハイボールにしようかなみたいに。

音楽と映像に対する2人の考えは、それぞれが独自のものでありながら、核となる部分で共鳴し合っているのだと感じ取れた。今後、2人が創造する音楽と映像のブレンドが、どのような形で私たちの想像を超える作品を生み出していくのか楽しみだ。



和やかなクロストークの時間は終了となり、次に、角舘健悟による一夜限りのスペシャルな弾き語りライブが行われた。1曲目は、山田が最初にMVを手掛けた楽曲「World is Mine」。ノスタルジックな心地よいメロディーと角舘の伸びやかな歌声に会場は包まれ、そこは一瞬にしてディープなライブ空間に。2曲目は風のような爽やかさが魅力の楽曲「White Lily Light」。音源の軽やかな印象とは違って、アコースティック特有のディープな空気感が感じられ、哀愁漂う美しいメロディーが心に染み渡る。セットリストを決めずに思いついた曲を歌うというラフな感じの弾き語りライブは早くも残すところあと一曲に。山田のリクエストに応えて、ゆったりとしたテンポのバラード「Hello Ethiopia」を歌う。琴線に触れるエモーショナルなメロディーを愛に溢れた歌詞でしっとりと歌い上げた。

こうして、約1時間にわたって行われたトークセッション&スペシャルライブは幕を閉じた。3回に渡って開催されてきた「SUNTORY WORLD WHISKY 碧Ao PRESENTS ~MUSIC LOUNGE~ PREMIUM TALK & LIVE EVENT」は今回をもって終了となる。これまでゲストとして招いた三組のアーティスト・クリエイター達が、今後どのような新しい価値を生み出していくのか楽しみだ。





「SUNTORY WORLD WHISKY 碧Ao PRESENTS ~MUSIC LOUNGE~ PREMIUM TALK & LIVE EVENT」概要

日時:①5月13日(金) 20:00~21:00 / ②6月12日(日) 17:00~18:00 / ③6月26日(日)17:00~18:00
参加費:無料 
定員:来店参加:各回定員40名/オンライン参加:無制限
場所:代官山 蔦屋書店 3号館 2階 SHARE LOUNGE
オンライン配信:代官山 蔦屋書店の公式YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCh_C-dc_SUyjPdgOXYxiUsA)より、無料生配信を実施
(※来店参加の場合、「Peatix」での事前応募・抽選となります)
主催:代官山 蔦屋書店 
共催:サントリースピリッツ株式会社
予約方法:来店参加ご希望の方は、イベントチケット予約・販売サービス「Peatix」にてご応募ください。



【第1回】日時:2022年5月13日(金)20:00~21:00 音楽家 長岡亮介 × 映画監督 黒沢清(※終了)




【第2回】日時:2022年6月12日(日)17:00~18:00 ミュージシャンRyohu × デザイナー 岡本ユウジ(※終了)




【第3回】日時:2022年6月26日(日)17:00~18:00 ミュージシャン 角舘健悟(Yogee New Waves) × 映像作家/ミュージシャン 山田健人(※終了)

配信先のURLはこちらから⇒https://youtu.be/ri3Kde0ibPQ
来店参加申し込みは、こちら



■SHARE LUNGEのアルコールプランで「SUNTORY WORLD WHISKY 碧Ao」を試飲

4月29日(金・祝)~6月26日(日)の期間中、世界5大ウイスキー産地を知れる展示を行うほか、SHARE LOUNGEのアルコールプランをご利用のお客様は、SUNTORY WORLD WHISKY 碧Aoをハイボールやロックで楽しめる。
アルコールプランの詳細はこちら(https://store.tsite.jp/daikanyama/floor/shop/share-lounge/)。

<開催記念キャンペーン ゲストのサイン色紙を抽選でプレゼント!>
音楽とお酒を愛する皆様への特別コンテンツとして、とっておきのキャンペーンをご用意いたしました!代官山 蔦屋書店Twitterアカウントをフォローの上、本イベントに関する該当投稿をリツイートいただいた方の中から抽選で、各回1名様限定で出演ゲストの色紙をプレゼント。

※詳細・応募方法は以下。
イベント特設ページ:https://store.tsite.jp/daikanyama/event/shop/26097-1537570418.html
代官山 蔦屋書店 公式Instagramアカウント:https://www.instagram.com/daikanyama.tsutaya/
代官山 蔦屋書店公式Twitter アカウント:https://twitter.com/DAIKANYAMATSITE?s=20

Rolling Stone Japan 編集部

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