吉田豪が選ぶ2022年の年間ベストソング

21. 水前寺清子とギターウルフ「三百六十五歩のマーチ」

2022年7月20日、新宿LOFTで開催されたサニーデイ・サービスとギターウルフのツーマンライブ『サニー&ウルフ青春狂騒ナイト!』で何の前触れもなく実現した謎コラボ。ギターウルフのセイジさんはもともとチータが大好きで主催フェス『シマネジェットフェス』にも呼んでたりして、ボクも「豪君、チータには興味ないの? 最高だよ!」と言われたりしてたんですけど、上下レザーにサングラスでキメたチータは確かに最高でした。




22. NaNoMoRaL「エンドエンドロール」

2022年3月にオーディション・イベントでグランプリとなりメジャーデビュー権を獲得。この勢いで一気に突き進む……のかと思ったら、なぜか2022年のリリースは1曲だけで、あれから1年以上経ってもメジャーデビューの話は一切聞こえてこないんですよね。なぜか思い出す、「Negiccoが『ヌキ天』で優勝してメジャーデビュー決定になったはずが、他の特典も含めていろいろ有耶無耶にされた」事件。相変わらずいいライブは繰り返しているし、唯一のリリースもやっぱりいい曲なのに!





23. 透明教室与平行女孩「永远的神」

BELLRING少女ハートと大森靖子の中国人ヲタが母国に帰って2019年に作り上げたアイドルグループ、透明教室与平行女孩(透明教室とパラレルガール)。ベルハーやおやすみホログラム、dots tokyoなんかのカバーで日本の地下アイドル文化を輸出してたみたいなんですが、これは大森さん作のオリジナル曲。大森さんの武器である突き刺しにくるような歌詞が中国語になることで、いい意味でふんわりとポップになってる気がします。




24. METAMUSE「tiffany tiffany」

大森さんの人生は過酷すぎるなと思ったのが、ZOCに期間限定で加入する予定だった超有名アイドルを母に持つ友人が亡くなったこと。そして、それを踏まえて「生まれ変わったらアイドルになりたかったな」「ママと同じ名前の友達ができたの」という歌詞の曲を歌っていく覚悟を決めたのも、いちいち過酷で。亡くなった彼女がZOCの「famiry name」が大好きだったというのも母親に対する複雑な感情が感じられて、だからこそそういう曲を歌う彼女の姿が見たかったなあ……という。




25. 加護亜依「pray」

加護亜依公式YouTube『加護ちゃんねる』のカバー企画、選曲がすごい無茶苦茶なんですよ。正直全くピンとこないカラオケのベタな定番みたいなものから、加護ちゃんの歴史を踏まえるとグッとくるハロプロナンバー(タンポポ「恋をしちゃいました」とか三人祭「チュッ!夏パ〜ティ」とか)に、加護ちゃんが歌うと違う意味が出てきそうな「MajiでKoiする5秒前」(広末涼子)とか「ドライフラワー」(優里)なんてのもあったりして。それでいて、フジファブリック「若者のすべて」とかBiSH「オーケストラ」とかBONNIE PINK「A Perfect Sky」とか、意外な選曲も散りばめられてたりして。そんな中、個人的にやられたのは津野米咲追悼で歌われた赤い公園「pray」のカバーでした。


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