15歳のシンガーRainy。が語る、自分の弱さを赤裸々に描いた理由

―自分の歌詞にメロディがついて曲になった時はどんな気持ちになりましたか?

Rainy。:まずは、自分の言葉が曲になったことへの驚きがありました。レコーディングをしていくうちに、気持ちとメロディが一緒になっていく感覚があって、「私はこういう風に歌いたいんだ」っていう思いが募り、自分の気持ちを一番ダイレクトに歌うことができた曲だと思います。

―他の人の歌詞を歌う時の気持ちとは違うものがありましたか?

Rainy。:他の方が書いてくださった歌詞の曲を歌う時は、自分なりに解釈したストーリーを思い浮かべながら歌うんです。「ME」は何度も歌詞を読み返す中で、「こういう歌い方の方が伝わるかな」っていうことを考えながら、ディレクターの方と話し合って歌っていきました。私が書いた歌詞ですが、たくさんの人のおかげで曲が完全体になったような印象があります。

―Rainy。さんのパーソナルな気持ちが書かれた歌詞でありながら、いろいろな人にも当てはまるものになっていると感じました。そこは意識されたんでしょうか?

Rainy。:そうですね。自分のことを書いてはいますが、やっぱりたくさんの方に聞いてもらいたいので、いろいろな人が感じているであろう、なかなか言葉にできない思いを言葉にしようと思いました。いろんな解釈ができるような歌詞を意識しましたね。

―「ME」はミドルテンポのバラード調ですけど、アルバムには例えば「Live it Up」のようにラップ調の歌唱をされている曲もあって、歌唱法も様々ですよね。

Rainy。:そうなんです。初めてラップをやってみて、噛んでしまい大変だったところもあったんですが(笑)、リズムに乗りながらいたずらっ子みたいな感じで笑うRainy。を思い浮かべて臨みました。「Live it Up」はリズミカルな曲調だし、また違う表情の曲になっていると思います。ラストサビにフェイクを多めに入れてみたり、たくさん挑戦した曲ですね。アルバム全体として、「それぞれの曲で違う表情を見せたい」っていう風に強く意識したことで、「どう歌い方を変えればいいんだろう」って悩んだ部分もありました。例えば、「素直になれたら」っていう曲はアルバムの中で一番メロディと歌詞が透明感にあふれているので、「どう表現すればいいんだろう」って悩んで、結局とにかくまっすぐに歌うことが大事だと思いました。

―曲によって歌唱アプローチを変えることで、音楽の面白さを感じた部分はありましたか?

Rainy。:録っている時は「ちゃんと違う表情を出せたかな?」って不安を感じることもあったんですが、聞いてみたら自分では想像していなかったような変化が生まれていたので、「頑張って良かったな」って思いました。「素直になれたら」は私としてはまっすぐすぎて泣いてしまうような曲だと思っていたんですが、スタッフさんの中には陽が差している明るい曲だと感じてらっしゃる方もいました。「確かにそういう解釈もできるな」って思って、人によって曲の受け取り方が違うということに気づけたのは嬉しかったです。聞いた人が同じ思いを抱かなくても、それぞれが抱える思いに歌詞とメロディが当てはまったら良いなって思います。

―曲ごとに自分の解釈で歌いながらも、スタッフの方とコミュニケーションを取ることを大事にされているんですね。

Rainy。:そうですね。まずは自分の解釈で歌ってみるんですが、どうしても主観的になってしまうので、スタッフさんから「そういう解釈だったらこういう歌い方の方がいいかもしれないよ」ってアドバイスをいただいたりします。より良くするために、いろんな意見を集めていきました。自分の意見を持つことはすごく大事ですが、それを幹にしてたくさんの意見を植え付けながら意見を確立させていくことはすごく良いことだと気付いてからは、日常でも意識していますね。

Rolling Stone Japan 編集部

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