アーロ・パークスが語る渾身の2作目、彼女の目に映る「喜びと痛みと迷い」の世界

Photo by Vince Mayo M. Aung

前作が大いに絶賛されたシンガーソングライター、アーロ・パークス(Arlo Parks)が5月26日にリリースされる2ndアルバム『My Soft Machine』について語る。7月には東京/大阪でジャパン・ツアーを開催(東京公演はソールドアウト)。「他の誰でもない、自分の経験について歌っていることを前提として知っていてほしい」。

「1stアルバムは、私を取り巻く人たちや出来事の影響がたくさん入っていた」。曲中の登場人物に生命を吹き込み、あたかも小説を読んでいるかのようなソングライティングで称賛を得ている、22歳のイギリス人ミュージシャンは話しはじめる。「私というフィルターを通して見える世界ーー喜びや痛み、迷い、言葉では区別できない様々な感情ーーを歪めることなく伝えたいと思った」

パークスは、2021年にマーキュリー・プライズを受賞したデビューアルバム『Collapsed in Sunbeams』のリリース以前から、5月26日に発表される最新アルバム『My Soft Machine』の制作を始めていたという。クレイロ、ハリー・スタイルズ、ビリー・アイリッシュのツアーのオープニングアクトを務める合間を縫って、集中的に制作を進めていった新しいアルバムのレコーディングには18カ月を費やした。その間にも、彼女はアリエル・レヒトシェイド(ヴァンパイア・ウィークエンド、ハイム)、バディー・ロス(フランク・オーシャン)、ブロックハンプトンのロミル・ヘンナーニといった名だたるアーティストとコラボレーションを果たしている。




「最初のレコードはパンデミック中に制作したこともあって、(今回は)スタジオでジャムをしたり、とにかくみんなと自由にやりたいっていう欲求に駆られていた」と彼女は話す。

このアルバムに付随する出来事の数々は、まさに目まぐるしい。むしろこの2年間は、彼女を讃えるための盛大なパーティーだったのかもしれない。マーキュリー・プライズ受賞、グラミー賞、ブリット・アワードのノミネーション(ブリット・アワードでは最優秀新人賞を受賞)を収めた『Collapsed in Sunbeams』は彼女の人生を成功の道へと導き、突如、世界最高のソングライターの一人として喝采を浴びることになった。地元ロンドンのO2アリーナで、ビリー・アイリッシュのオープニングアクトを務め、ダブリンのスタジアムを埋め尽くすハリー・スタイルズのファンの前でパフォーマンスをするなど、彼女はツアーで世界を飛び回った。

自身の功績についての質問には「もうすっかり忘れてしまった」と答える。「ただ、ミュージシャンたちやファンのみんなと一緒に祝えたことが嬉しかった。過酷だった2年間を共に乗り越えてきた曲を披露できて、やっとみんなと一体感を感じられた瞬間だった」。

Translated by Natsumi Ueda

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