米国人タリバン兵、出所後にテロ組織支援者と密会「今なお過激思想を抱いている」米FBI

パキスタン、バンヌの宗教学校に5カ月在籍していた当時のジョン・ウォーカー・リンド(AP/FILE)

「米国人タリバン兵」としてアフガニスタンのタリバンに参加し2001年に身柄を拘束、米国の裁判でタリバンを支援した罪で有罪判決を受け禁錮20年の刑に服し、2019年に監視付き釈放が認められたジョン・ウォーカー・リンド。出所する際、監視下での釈放の一環として数々の条件に同意し、正式に自由の身となる2022年5月22日まで過激主義者として知られる人物とは関わりを持たないよう命じられていた。しかし、最近の裁判資料によると、2021年に行われた3つの集会で有罪判決を受けたイスラム国(ISIS)の支援者と会っていたようだ。いずれの集会もFBIが密かに監視していた。

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リンドは2021年の夏から秋にかけて、有罪判決を受けたISIS支持者のアリ・アミンと会っていたとみられる。リンド同様、アミンも釈放の条件として、過激派として知られる人物との接触を禁じられていた。だがリンドとは違い、保護観察官は規則違反を理由にアミンの再勾留に動いた。

連邦保護観察官は1月上旬に提出された裁判資料の中で、アミンが「2021年8月に1回、その後10月に2回、それぞれ1時間ほど滞在してジョン・ウォーカー・リンドと言葉を交わしていたところを、連邦捜査局(FBI)が撮影した」ことを明らかにした。監察官いわく、リンドは「今もなお過激主義者として知られ、FBIの考えでは過激思想を抱いているとみられる」

FBIはなぜ集会を監視していたのか、リンドの保護観察官にも会合のことを知らせたのかについては分かっていない。だがFBIがアミンの保護観察官に集会のことを伝えたのは、1年後の2022年10月だった。リンドの監視期間が終了してから、すでに5カ月が経過していた。

ローリングストーン誌はリンドの弁護士に質問を送ったが、すぐに返答は得られなかった。

Akiko Kato

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