強姦・殺害された少女の白骨遺体、25年の時を経て新たな犯人像が浮上 米

ジョゼット・ライトさん(当時12歳)を強姦・殺害したとして1997年に有罪判決を受けた後、2019年5月9日に有罪判決の撤回を求める審理に臨むアンドリュー・クリヴァク(TANIA SAVAYAN/THE JOURNAL NEWS/IMAGN)

1994年に米・ニューヨーク州ハドソンリバー・バレーのパットナム郡で起きた、当時12歳だったジョゼット・ライトさんが強姦・殺害された残虐な事件の再審が始まった。

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この事件では、1997年、当時10代だった2人の男性(アンソニー・ディピッポとアンドリュー・クリヴァク)が逮捕され、それぞれ個別の裁判で懲役25年から終身刑を言い渡され、少なくとも20年服役した。ところが、2016年にアンソニー・ディピッポが再審で逆転無罪となり、賠償金1500万ドルでパットナム郡とニューヨーク州と和解。2021年に「Devil You Know」と題したローリングストーン誌の暴露記事が出ると、警察は近所でも有名な性犯罪再犯者に尋問していなかったなど、捜査に重大な落ち度があったことが明らかになった。そして今、残る1人のアンドリュー・クリヴァクが無罪放免をかけて再び陪審と向かい合っている。

パットナム郡地方検事局のロバート・テンディ検事は、今回も1997年の検察と同じ主張をするに違いない。クリヴァクとディピッポは、クリヴァクの父親のワゴン車でライトさんを縛り上げ、強姦して窒息させた後、森の中に遺体を捨てたのだ、と。その証拠として、クリヴァクの自供、ワゴン車に同乗して犯行を目撃したという女性の証言、ワゴン車から発見されたライトさんの2つの指輪を持ち出すだろう。1月18日(水)に始まった再審で、検事はこれら証拠が「ゆるぎない」ものだと述べ、クリヴァクが1994年10月3日にライトさんを殺したのは「明白かつ疑いようもない」と陪審に語った。

弁護側代理人のオスカー・ミシェレン氏とカレン・ニューワース氏は、クリヴァクは自供を強制されたと主張するだろう。目撃者とされる人物は起訴を逃れるために、刑事から言われた通りに話をでっちあげたのだ、問題の指輪はジョゼットさんのものではなく、母親もそれを認めている、と。さらに弁護側は、ジョゼットさんを殺したのがハワード・ゴンバートだと主張するつもりだ。性犯罪の前科があるゴンバートが、失踪直前にジョゼットさんを車に乗せていたという目撃証言もある。また女性たちを縛り上げ、さるぐつわをさせることでも知られていた。

弁護側は、検察が犯行日時を取り違えていると考えている。ローリングストーン誌も報じたように、1994年に宣誓陳述を行った2人の証人はコロンブス記念日の週末にジョゼットさんを地元のショッピングモールで見かけたと証言しているが、その日付は検察の言う犯行日よりも後だった。捜査官が証人に圧力をかけ、陳述を変えさせたというのが弁護側の言い分だ。

ジョゼットさんは1994年10月に生まれ育ったニューヨーク州カーメルから姿を消した。事件は1年以上進展がなかったが、1995年11月にハンターが近隣のパターソンの森で白骨化したジョゼットさんの遺体を偶然発見した。ジョゼットさんは両手を後ろ手に縛られ、口には下着が詰め込まれていた。

1996年7月、クリヴァクとディピッポが逮捕された。クリヴァクの弁護士ミシェレン氏は、2人の若者を容疑者に絞り込んでからプットナム郡保安官事務所は視野が狭くなっていた、と非難した。弁護側の主張によれば、逮捕にいたったのは別の若者が無関係の事件で罪を逃れるために、クリヴァクとディッポが森で遺体を発見したと話しているのを聞いた、と警察に証言したからだという。同じころ、ゴンバートから被害を受けた女性たちは、ジョゼットさんが失踪直前にゴンバートの車に乗っていたと警察に供述した。だがローリングストーン誌の報道によると、警察は一度もゴンバートに事情聴取を行わなかった。2021年、服役中のゴンバートにコメントを求めたところ、ジョゼットさん殺害は否定したものの、面識があったことは認めた。

Akiko Kato

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