スティーヴィー・ワンダーが今こそ明かす、故ジェフ・ベックとの友情秘話

名曲「迷信」に関するエピソード

スタジオに入ったワンダーとベックは、当時ワンダーが書いた別の曲「Superstition」(邦題:迷信)もプレイした。ワンダーはもともと、ベック・ボガート&アピスのためにこの曲を提供することに同意していた。そのトリオが先に 「Superstition」をレコーディングしたが、モータウンはこの曲のヒットの可能性に気づき、ベック・ボガート&アピスが1973年のデビューアルバムを出す前に、ワンダーのバージョンをリリースすることになった。

「『聞いてくれ、これはジェフ・ベックのために作ったんだ。彼はこの曲が好きなんだ』とモータウンに言ったよ」と、ワンダーはフリー・プレス紙にそう語っている。「私は『Sunshine of My Life』を最初のシングルにすべきだと思っていた。彼らは『ダメだ、ダメだ。最初のシングルは『Superstition』にするべきだ」と突っぱねてきた。だからジェフのところに戻って、この件で相談したんだ。



それでも、このトリオによる「Superstition」は、ベックの最高傑作のひとつとなった。ベックはその後、1975年のアルバム『Blow by Blow』で「Cause We’ve Ended as Lovers」「Thelonius」の2曲をワンダーと録音し、2009年のロックの殿堂入り25周年記念ショーでワンダーと再会して「Superstition」を演奏している。

ワンダーはフリー・プレス紙に対し、ベックの訃報を受け、「Lookin’ for Another Pure Love」を聴き直したと語った。「今日改めて聴き直し、当時のことを思い出しながら感情的になった」 とワンダーは述べている。「音楽には何かがあるんだ。ファンであるあなたにとって、曲はあなたをある時間・空間に連れ戻すものだと思う」

「その人のことを話している限り、その人は生き続けることができる。(故人について語り継ぐことで)彼らの魂を生かし続けよう」。

From Rolling Stone US.

Translated by Rolling Stone Japan

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