追悼・ジェフ・ベック 世界を魅了したギタリストの軌跡

ジェフ・ベック(Photo by Robert Knight Archive/Redferns)

ギターの神様、ブルース・ロックの革新者、そして2度のロックの殿堂入りを果たしたジェフ・ベックが、78歳で亡くなった。死因は、細菌性髄膜炎。ジミー・ペイジ、ロッド・スチュワート、ロン・ウッド、スラッシュ、オジー・オズボーンをはじめ世界を魅了した、ジェフ・ベックの軌跡を振り返る。

現地時間11日、「家族を代表して、ジェフ・ベックの訃報を深く深く悲しんでいます。細菌性髄膜炎に感染した後、彼は昨日、安らかに息を引き取りました」と家族が声明を発表し、ジェフ・ベックの逝去が明かされた。

2009年のロックの殿堂の授賞式でベックのプレゼンターを務めたレッド・ツェッペリンのジミー・ペイジは、ヤードバーズの2代目ギタリストの訃報を受けてInstagramにメッセージを投稿。「私たちの感情を自由自在に操るギターの魔術師がこの世を去った。ジェフは、天から得たインスピレーションを音楽に落とし込むことができるギタリストだ。そのテクニックは、唯一無二のものである。ジェフの想像力は尽きることがなかった。無数のファンとともに、私は君の死を偲ぶ。ジェフ・ベックよ、どうか安らかに」と哀悼の意を表した。

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ベックは、1944年6月24日に英国南東部サリー州で生まれた。ベックの両親は、息子にギターではなくピアノを習わせたいと思っていたが、ギターにのめり込む息子を見て、ギターの道を進ませることにした。「両親は私がギターを弾くと小言を言ったが、辞めさせようとはしなかった」と、ベックは2018年のローリングストーン誌のインタビューで語った。「両親は、『ギターを弾いている限り、万引きには手を出さないだろう』と思っていたのかもしれない。当時の唯一の友人たちは、かなり荒れた生活を送っていた。友人の多くは、一歩間違えれば刑務所行きの生活をしていたんだ」。その後、ベックは地元でギタリストとして頭角を現しはじめていたひとりの少年と出会う。その少年の名前は、ジミー・ペイジだ。ふたりはロカビリーに熱中し(ベックは、姉のレコードの影響でこうした音楽を聴くようになったと語る)、ギターのスキルを披露しては、どちらが上手いかを競い合った。

Translated by Shoko Natori

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