ローラ・ジェーン・グレイス、スプラッタームービー風MV公開

アメリカのパンクバンドAgainst Me!のボーカル、ローラ・ジェーン・グレイスが「The Swimming Pool Song」のMVを公開した

仮面を被った殺人者というのはホラームービーにありがちなものだ。アメリカのパンクバンドAgainst Me!のボーカル、ローラ・ジェーン・グレイスがコロナ禍の時代に届ける「The Swimming Pool Song」のMVのコンセプトも同様のものになる。

エマルション・ラブが監督したスプラッタームービー風のMVは、花柄のワンピースを着た血塗れの女性(ハンナ・ギャンブル)が枯れた草原を黒づくめの人間から逃げ惑うシーンから始まる。女性が転び膝を着いた時、仮面の人間(グレイス)が女性に近寄ると、ギャンブルが笑い始め、グレイスはカメラに向かって引き返す。そして視聴者に向かって手招きをしながら近寄ってくる。これは追われる者を怪物へと変え、追う怪物を追われる者に変えてしまう、実験的な試みとなる作品だ。

グレイスは、本作の映像について「夢で見るように、何かを恐れてそれから逃げている時、それは実際は全く恐れる必要のないものだったりする。もしくは、何かを見た時の第一印象がこれ以上ないくらい間違っていて、その結末も全く違ったものだったりもする」と、語った。

「The Swimming Pool song」は、グレイスがサプライズ発表したソロアルバム『Stay Alive』に収録される。このアルバムは、ロックダウン期間中にスティーヴ・アルビニと共にレコーディングしたもので、パンデミックに対する不安や恐怖と闘うための一つの手段として制作された。その中でもこの曲は、レイヴと呼ばれるウィスコンシンにある建物の地下にある実際の曰く付きプールを題材にしたという。

ローリング・ストーン誌のインタビューに対し、グレイスは「今までで一番めちゃくちゃに気味の悪い場所だった。プールの角にはマック・ミラーが壁にサインしたところがあって、その周りにはガラスの破片が散らばってて。多分彼が亡くなる直前か、その前くらいに最後に遊んだ場所なんだろうね。つまり"自分は生きていたけど今は死んでる。魂はここに残ってる。楽しめ。ちなみに、俺はここの会場を3回も満員にしてる"って言ってる。何もかもが私の心を打ち抜いたよ。しかも、自分も同じ週にそこにいたんだ。あれはノートルダムが焼けた週のことだったかな。ずっとそんなことや、物事がどう変わっていくのかについて考え続けてた。だから、つまり、今は世界の終わりみたいな感じで、悪いことばっかりだけど……。でもまだ終わってない。まだ何とかなる。だからまだその希望を捨てちゃダメなんだ」と、語った。

From:Laura Jane Grace Turns ‘The Swimming Pool Song’ Into a Slasher Film for the Covid-19 Era

Rolling Stone Japan 編集部

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