今回プリンスがリリースした2枚のアルバムはなんと、80年代に自身の代表作を作り、1996年に恨みを残したままそのもとを去ったワーナー・ブラザーズから。まず『アート・オフィシャル・エイジ』は、傑作アルバム『パープル・レイン』時代に得た“紫色の栄光”に返り咲こうと試みた作品。『プレクトラムエレクトラム』は全員女性のバンド、サードアイガールと作り上げた実験的なファンク・ロック。読者はどちらが好みだろうか?

『プレクトラムエレクトラム』は、タイトルからもわかるようにかなり風変わりな作品。「プレッツェルボディロジック」と、アルバムタイトル曲では、バンドのサウンドに合わせてジミ・ヘンドリックス風の演奏を披露。「ホワイトキャップス」と「エイントターニンラウンド」はオルタナティブ・ロック風で、まるでノー・ダウトがファンカデリックに挑戦したといった雰囲気だ。プリンスの才能は衰えることはなく、相変わらず複雑なのだ。

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