“靴に泥が付いちゃったわ”とジリアン・バンクスは「Beggin for Thread」で歌っているが、その言い方がまるで“人生なんかそんなものよ”と肩をすくめて強がっているように聞こえる。このデビュー・アルバムでは、アヴァンギャルド・ポップの先輩たち(アリーヤ、フィオナ・アップル、ケイト・ブッシュ)によく似た、人を魅了するヴォーカルと、陰鬱なシンセ中心の曲を披露。時に恋人への疑惑を語るなど、暗雲を予感するかのように感情を高ぶらせる。タイトル曲でいきなりFワードが飛び出すのだが、その暗雲が立ち込めた時にどうなるか、目が離せない。

RECOMMENDEDおすすめの記事


MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE