彼らにとって9作目になる本作。無駄なものを削ぎ落としたサウンドは、幾十にも重なるムーディなシンセとアートハウス・ダンス・ビートを使ったこれまでの作品とは一線を画す。魅惑的なデュエット「セブン・トゥー」で顕著なように、シンガー・ギタリストのカズ・マキノとアメデオ・パーチェのロマンスの終焉にとらわれたアルバムだ。「ノー・モア・ハニー」では、マキノが“後悔はしない”とソフトな声で警告し、パーチェがシューゲイザー的なギターで奏でるドリーミーなワルツが襲いかかる。上辺のものが全てはぎ取られ、脆弱と力強さがせめぎあいを見せる一曲だ。

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