“自分の前髪を切ると言うお前/やれるもんならやってみろ”なんて失恋ソングはラジエーター・ホスピタルしか書けないだろう。ヴォーカルのサム・クック=パロットは、ポップ・パンクの熱情と、心の内を表現する繊細さと機知を持ち合わせている。彼の声は「Five & Dime」で聴けるように、時に耳障りで、たいていは滑稽だ。しかし予期せぬ角度からムードを捉えている。「Sleeping House」では甘い声で“君の眠りの家では僕が唯一の悪夢となる”と歌い、ぎこちなくも感情に訴える珠玉の一曲に仕上げている。彼の手にかかれば当然とも言えるのだが。

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