バルティモアのフューチャー・アイランズは、単に80年代っぽいシンセ・ロマンティックスのバンドにすぎないと言いたいところだが、ほかとの違いはシンガーのサミュエル・T・ヘリングにある。彼の強烈なしゃがれ声は、イアン・カーティスに大いに影響されたようなマリアンヌ・フェイスフルの『Broken English』を彷彿とさせる。彼はあたかもそれで新たな傷口を塞ごうとするように、寂しげなバラードというシロップを本作で注いでいる。

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