犯人は「鬼」のような風貌、10人以上が殺害された未解決連続殺人の容疑者逮捕 米

もうひとつ重要な証拠が、アンバー・コステロさんの知人の証言だ。2010年9月2日に失踪する直前、コステロさんは「1人が怒り狂った恋人を装い、客が慌てて家から出た後、客が持参した代金をコステロさんがいただくという計画を実行した」そうだ。

検察によると、その時の客がホイヤーマン被告で、翌日使い捨て携帯のひとつからコステロさんに連絡があったという。「アンバーから聞いた話では、その客は彼女にもう一度会いたいと言い、ただし恋人がいるため彼女の家には行きたがらなかったそうだ」と、知人は失踪後に警察に供述している。

知人の話では、その客は「大柄の白人で、背丈は約6フィート4~6インチ、40代半ばで『もじゃもじゃの黒髪』、外見は――酷な言い方だが――「鬼」のようだったと供述した。同じく重要な点として、その客は『第一世代のシボレー・アバランチ』を運転していたと知人は証言した」。

サフォーク郡があらためてLISK解決に乗り出すと、捜査官はホイヤーマン被告がかつてシボレー・アバランチを所有していたことを突き止めた。

最後に、検察はホイヤーマン被告とLISKを結び付けた決定的かつ明白な証拠としてDNAを挙げた。ウォーターマンさんの遺体がくるまれていた麻布からは男性の毛髪が見つかったが、「99.96%の確率で、ホイヤーマン被告の毛髪のミトコンドリアと一致する」ことが後に判明した。捜査官は、ホイヤーマンが2023年1月にマンハッタンのオフィスの前にあるゴミバコに捨てた「ピザの食べ残し」から被告のDNAを採取。2023日6月にDNA鑑定の結果が確定した。

さらに被害者2人の遺体から発見されたDNAは、科学捜査の結果ホイヤーマン被告の妻のものと一致した。捜査官の調べで、妻は「ギルゴ4」殺人の犯行当時に街を出ていたか、海外にいたことが判明した。

「2023日7月13日夕方ごろ、被告人レックス・A・ホイヤーマンはサフォーク郡警察署の警察官により逮捕された。自宅および他の場所の捜索は現在進行中だ」と検察は続けた。「ホイヤーマン被告は逮捕時、ネット検索に使われたThawkメールアカウントと紐づけられた、347-304-2671の番号の使い捨て携帯を所有していた」。

当局職員は14日の記者会見で、ホイヤーマン被告が最初に捜査線上に浮かびあがったのは2022年3月14日だったと述べ、大陪審起訴のために1年かけて20件の捜査令状を要請して証拠を集め、密かに立証を続けていたと語った。

14日の合同記者会見でFBIのマイケル・ロダック特別捜査官は、「連邦・州・地方の法当局が1つの捜査班のもとで協力すれば、もっとも困難な状況を克服できることが今回の起訴でお分かりいただけたと思います」と語った。「愛する者を失った心の隙間を埋めることはできませんが、ご遺族の皆様には本日の発表をきっかけに、平穏と区切り、そして正義が訪れることを願っております。また殺人容疑者がもう野放しではなくなったことが判明し、一般市民の皆様も安心していただけるでしょう」。

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from Rolling Stone US

Akiko Kato

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