King Gnuが初のスタジアムツアーを終幕、日産スタジアムで7万人が大合唱

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そして待ちに待った、常田がメインボーカルを務める「壇上」のライブお披露目である。アルバム『CEREMONY』でもキーとなったナンバー。知る人ぞ知る楽曲だ。歌詞は、まるで数年後の自分たちの心情に振り返ったかのようなセンチメンタルな世界観。そんな想いとリンクするかのように走馬灯のごとくこれまでのバンドの歴史がメンバー写真とともに矢継ぎ早に巨大LEDモニターに映し出され、心が真っ白になっていく。頭も空白のまま、本編最後となるサイケデリックなポップバラード「サマーレイン・ダイバー」へ。オーディエンスが自発的にスマートフォンのライトを点灯し、会場中に光が瞬く大海原のようなシーンへと一変。感情が追いつかないほどの大感動だ。声出し解禁、オーディエンスと合唱しながら、メンバーによる満足度の高い笑顔とともに大団円を迎えていく。

アンコールを経て、ステージでは常田がチェロを独奏。アヴァンギャルドかつアカデミック、色気のある高貴なプレイ。パーカッシヴな弦の響きに目が耳が離せない。

そのまま、King Gnuの代表曲と言っていいだろう「白日」を披露。透明感ある伸びやかな歌声が美しい。そしてラストMCタイムへ。井口による、オーディエンスへの感謝の言葉「ありがとう! 楽しかったね。あとちょっとだけ付き合ってもらっていいですか? ここに7万人の人がいて。それぞれ生活があって。せっかくなら7万人の心の歌を聴きたいじゃないですか? 大きな声で歌えますか?」と、オーディエンスへ問いかけた。


Photo by Ayumu Kosugi

そしてラスト2曲。まずはKing Gnuファンが最も愛する「McDonald Romance」を4人のコーラスワークが堪能できるバージョンで演奏。オーディエンスの大合唱とともに、会場にほんわかした暖かみが広がっていく。そして、ラストは井口による「盛り上がろうぜ!」という煽りに続けて「Flash!!!」。超絶アッパーなロックチューンによって、この日最強のハイライトが繰り広げられていく。高揚感でいっぱい、凄まじい熱量がバンドとオーディエンスの垣根をなくし、スタジアムに集まった全員の心が一体化していく。幾千に宙を飛び交うレーザービーム、そしてステージ上空に舞い上がる花火とのシンクロがヤバい。ヤバすぎる。

キング率いるヌーの群れは、仲間を巻き込みどんどん大きくなってきた。今回、最多キャパシティーとなる7万人スタジアム・ライブの成功。希望に満ち溢れた最新章のページがめくられたのだ。ヌーの群れの旅は今後も続いていく。

テキスト:ふくりゅう(音楽コンシェルジュ)

セットリスト
0. 開会式
1. 飛行艇
2. Tokyo Rendez-vous
3. Teenager Forever
4. BOY
5. 雨燦々
6. 小さな惑星
7. 傘
8. ユーモア
9. Don’t Stop the Clocks
10. カメレオン
11. 三文小説
12. 泡
13. 幕間
14. どろん
15. Overflow
16. Prayer X
17. Slumberland
18. Stardom
19. 一途
20. 逆夢
21. 壇上
22. サマーレイン・ダイバー
ENCORE
23. 閉会式
24. 白日
25. McDonald Romance
26. Flash!!!

公演概要及び動員人数
King Gnu Stadium Live Tour 2023 CLOSING CEREMONY
5月20日(土)大阪・ヤンマースタジアム長居 開場16:00/開演18:00
5月21日(日)大阪・ヤンマースタジアム長居 開場16:00/開演18:00
6月3日(土)横浜・日産スタジアム 開場16:00/開演18:00
6月4日(日)横浜・日産スタジアム 開場16:00/開演18:00
ALL SOLD OUT
大阪各日約4万5千人、横浜各日約7万人
トータル約23万人動員

King Gnu Official HP http://kinggnu.jp/

Rolling Stone Japan 編集部

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