岡村靖幸『靖幸』、当時のプロモーターと岡村ワールドについて語る



西岡:〈君が好きだよ〉、彼が男の子たちに自分の気持ちをちゃんと伝えなきゃだめなんだよってことを言っていると思うんですけども、彼のテーマになっているところをシンプルに出した。で、すごくメロディアスだし、ポップだし、すごく綺麗な曲だし。

田家:さっきの「Vegetable」の〈愛犬ルー〉は別に〈愛犬ルー〉じゃなくても、〈I canなんとか〉でもいいみたいな、英語日本語的な作り方があるとしたら、もう一方にちゃんと言葉を意識しながら書いている曲と両方あると。

西岡:そうですね。それは後者の方ですね。

田家:〈心に住んでる修学旅行が育つんだ〉。これは素晴らしいですね。

西岡:ほんと思いつかないですよね(笑)。そういうことがぽっぽ出てくる、天才としか言いようがないかもしれないですね。

田家:〈雨が降る日は 長靴の中に水たまりがありゃまだ10代〉。こういう青春、思春期の表現というのが。

西岡:1つ1つの映像が彼の中で残っていたのかもしれないですし。

田家:〈このバラ持ってTVの 男達の様に 告白タイム〉。これは『ねるとん』もあって。

西岡:『ねるとん』ですねー(笑)。いろいろなことを僕らも思い出せてくれますよね。

田家:そういう意味では当時の風俗とかテレビに流れている番組も反映されています。

西岡:そんな話をよくしました。当時で言うと、『オールナイト・フジ』の話とか、この女の子はかわいいとか、そんな他愛もない話を仕事の合間には話した覚えがありますね。

田家:アレンジもプログラミングも音は全部彼が入れている。コーラスだけチャカさんが参加している。そういう打ち込みみたいなものは先生がいたりしたんでしょうか。

西岡:先生がいた話は聞いたことないですし、全部自己流というか、スタジオの中でマニピュレーターの方とか、いろいろな方と出会ってその中で自分で学習していったのではないかなと思いますけども。

福田:これ以外の曲もそうなんですけど、『DATE』の時に「青春LP」というキーワードがあったんですけど、これぞ「青春LP」って感じがして、それっぽい曲に僕は思えます。

田家:「青春LP」でありながら、これは僕なんだという自画像的な。

Rolling Stone Japan 編集部

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE