FIELD OF VIEW、色あせない名曲を集めたデビュー25周年ライブ

そんな中、”今回オープニングの演出や照明は、25年前のデビューライブのものを、できる限り再現しています!”というライブスタッフからの事前情報もあり、期待に胸が膨らむ。そしていよいよ開演。まさに一曲目はその予告通り大ヒット曲「突然」からスタート! オープニングSEが会場を鳴り響き、ステージの幕がゆっくり開くと、そこにはメンバーが当時と変わらずシルエットとともに立っている。感動的な当時のオープニングの演出が忠実に再現されていて、会場にいたファンもステージに吸い寄せられるかのように、静かにゆっくりと声をあげずに思わず立ち上がって拍手している姿がとても印象的だ。

「みなさんこんばんは!令和2年のFIELD OF VIEWです!」というボーカル浅岡の挨拶とともに、会場がとても温かく鳴り止まない拍手に包まれる。もちろんコロナを配慮して一切のコール(声援)はない。しかしコロナ前は当たり前に行われていた、この拍手するという行為。コール(声援)ができない今だからこそ、その気持ちを必死に伝えようとする来場者の一人一人の拍手がこんなにも感動的で会場が一体となって伝わるものなんだということを、再認識させられた。ボーカルの浅岡も思わず込み上げてくるものがあるようで、上を向いたまましばらく動かなかった。もちろん久しぶりに会場に駆けつけたファンの目にも涙がこぼれている。「その拍手でもう十分だよ! 言ってもいいかい? FIELD OF VIEWです!」と何度も噛みしめるかのようにグループ名を連呼する掛け声とともに、次から次へと惜しみなくヒット曲を披露して行く。



その中でも特に印象的な楽曲だったのが、5月に発売されたベスト盤にも収録されている4曲目の新曲「キボウメロディー」。1990年代のビーイングサウンドを支えてきた多々納好夫による作曲で、まさに全盛期のFIELD OF VIEWを彷彿とさせる素晴らしいナンバーで、浅岡曰く、こうした世の中に出ていない楽曲が実はまだまだあるという。

3曲目「夢見続けて今も」、6曲目「everywhere」は今回改めて聞くと、歌詞の世界観がまさに25周年ライブを予言していたかのようで、月日を重ねたから今だからこそさらに感動を増す、とても素敵な楽曲だ。

途中のMCの中でドラムの小橋が"解散してからずいぶん経つのに、いまだに多くの人がFIELD OF VIEWの聞き続けてくれている。いつか自分もずっと恩返しをしたいと思っていました。今回再結成ができて嬉しい。ただこれも浅岡がFIELD OF VIEWが解散してから、ずっとソロで頑張って活動し続けてきたからこそ、今回こういう機会があったわけで、とても浅岡君に感謝しています"というMCが印象的だった。

Rolling Stone Japan 編集部

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