インドネシアの新鋭シンガーソングライター、アネスが語る「17歳のリアル」と音楽への想い

アネス

2018年にインドネシア最大のオーディション番組「Indonesian Idol Junior」で優勝し、音楽活動をスタート。2020年にリリースされた別れを歌ったバラード曲「Mungkin Hari Ini Esok Atau Nant」(ムンキン ハリ イニ エソ アタウ ナンティ)のMVがYouTubeの再生回数1.1億再生回数を突破し、多数の音楽賞を受賞。一躍、インドネシアを代表するシンガーソングライターとなったAnneth(アネス)。代表曲「Mungkin Hari Ini Esok Atau Nant」の日本語セルフカバー「Wish You Were Here」の配信を機に、インタビューを行った。現在17歳のアネスが影響を受けたアーティスト、音楽への想い、そして日本カルチャーについても聞いた。

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―配信されたばかりの「Wish You Were Here」は大ヒットした2ndシングル「Mungkin Hari Ini Esok Atau Nant」の日本語セルフカバーですが、この曲を日本語でカバーすることになった時、どんなことを考えましたか?

アネス:レーベルの方から日本語の歌詞を作ろうという話を聞いた時は驚きましたが、同時にすごく嬉しかったです。私は日本の文化が大好きで、日本は憧れの国なんです。だから、日本語で歌えるということにとても感激しました。



ーそうなんですね。好きな日本の文化というと?

アネス:まず、お寿司だったり日本の食文化が好きです。あと、マンガとアニメも好きですね。今ハマっているのは『SPY×FAMILY』です。日本のアーティストでは宇多田ヒカルさんが好きです。子供の頃から家で母が宇多田さんの曲をかけていたので馴染みがありますし、最近はNetflixのドラマ『First Love 初恋』で流れていた「First Love」に感動しました。ドラマもとても素敵でしたね。日本には惹かれる場所がたくさんあるので、いつか行ってみたいなって思っています。

―昨年12月の88rising主催のフェス『Head In The Clouds』のジャカルタ公演にYOASOBI等が出演し、インドネシアではネットを通じて日本の楽曲の人気が高まっているようですが、そういう動きは意識してますか?

アネス:確かに最近インドネシアでもYOASOBIの人気が上がっていると感じます。私もYOASOBIはとても好きですね。

―その88risingに所属するインドネシア出身のNIKIやリッチ・ブライアンは日本でも人気がありますが、アネスさんからは今のインドネシアの音楽シーンはどう見えていますか?

アネス:インドネシアの音楽シーンは今まさに発展途上にあると思います。以前と比べていろんなことが変わってきたことはとてもポジティブなことだと思っていますし、私がこうやって活動できることにも繋がっていると思うので喜ばしいですね。

―「Wish You Were Here」は日本語詞だけでなく、英語詞も少し出てきます。そこにはどんなこだわりがあったんでしょう?

アネス:たくさんの人に伝わるように、英語で「wish you were here/stay with me and always be nere」という歌詞を入れてみました。宇多田ヒカルさんの「First Love」の歌詞にも一部英語のフレーズが入っていますよね。あの曲にインスピレーションを受けたところもあるのではないかと思っています。

―アレンジも大きく変えずに、言葉を噛みしめるような歌声が際立った楽曲になっていますが、この曲を歌う時はどんなことを意識しますか?

アネス:歌詞の内容もオリジナルとほぼ同じなので、向き合う気持ちはオリジナル曲を歌う曲とほぼ一緒です。この曲は大事な人をなくしたことを歌っているので、「自分の大事な人がいなくなってしまったらどんな気持ちになるんだろう」ということを思い浮かべながら歌っています。サビは特に喪失感を感じさせる歌詞になっているので、ぐっと来ますね。この曲に限らず、歌詞に込められた情景がはっきりと浮かぶように意識して歌っています。



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