米デルタ航空の機内放映用の映画作品から同性愛者のラブシーンをカットしたことに対し、同社は「(こうしたシーンを)不必要に除外してしまった」とコメントを発表。
機内エンタテイメントの『ロケットマン』と『Booksmart(原題)』から同性愛者のラブシーンをカットした米デルタ航空は、これらのシーンの復元を決めた。
世間の激怒を受け、米デルタ航空は機内上映でカットしていた『ロケットマン』と『Booksmart(原題)』の同性愛者のラブシーンの復元を決意した。
『Booksmart(原題)』の監督を務めるオリヴィア・ワイルドがフライト中に自らの作品の編集済みバージョンを観た、とツイートした数日後にデルタ航空は今回の判断を表明した。ワイルド監督によると、レズビアンのキスシーンだけでなく、「女性の性器」や「生殖器」を示す言葉までもがカットされていたのだ。
別の投稿でワイルド監督は「どうやら、一部の航空会社は第三者企業と手を組み、何が不適切かを判断する航空会社のものさしを使って映画を編集しているみたいね。となると、今回は女性のセクシャリティが不適切って判断されたわけ……?」
一般的に、映画スタジオや第三者ベンダーが供給する映画の「オリジナルバージョン/編集済みバージョン」のどちらを採用するか、という判断はデルタ航空に委ねられている。だが今回の場合、デルタ航空は同社が定めるガイドラインの「範囲内」にあるのを知らずにコンテンツをカットしていたのだ。
デルタ航空は、「我々は『Gentleman Jack(原題)』、『四角い恋愛関係』、『ムーンライト』などの同性愛を描いた作品をいまも機内エンタテイメントとして提供しており、LGBTQ+のラブシーンのカットは我々の意図することではない、と過去に提供した無数のコンテンツが証明しています」」と自己防衛的に述べたことを米CNNが報じた。
「我々は、弊社の機内エンタテイメントで利用できるコンテンツを管理するための新たなプロセスの確立に早急に取り組んでいます」と同社は声明を発表した。「我々は編集済みバージョンを採用しましたが、両作品のコンテンツは弊社ガイドラインにもとづいており、こうしたシーンをカットするのは不必要な判断だったといまになって気づきました。このようなことが二度と起こらないようにします」
その後、デルタ航空は両作品の新バージョンを機内エンタテイメントとして提供することを決定したが、詳しい日程は明らかになっていない。