フレディの誕生日に新作MVが公開、アニメで描いた切ない物語

フレディ・マーキュリーの73歳の誕生日にアニメ版の新作MVが公開された

生きていれば9月5日で73歳を迎えていた、クイーンのフレディ・マーキュリー。米現地時間同日に「Love Me Like There’s No Tomorrow/明日なき愛」のアニメ版MVが公開された。ふたつの白血球が恋に落ちる切ない物語だ。

フレディ・マーキュリーの「Love Me Like There’s No Tomorrow/明日なき愛」の超現実的なアニメーションの世界では、ふたつの白血球が恋に落ちる。同楽曲は、いまは亡きシンガーがソロデビューを果たした1985年の『Mr.バッド・ガイ』のシングルである。フレディ・マーキュリーが生きていたら迎えたであろう73歳の誕生日を記念して、米現地時間9月5日木曜日に今回のミュージック・ビデオが公開された。

ミュージック・ビデオでは、ふたつの白血球がミラーボールの下でセレナードに合わせて踊っている。ひとつの白血球がAIDSと診断されると、カップルは胸が張り裂けるような悲しみに襲われる。同MVを手がけたのは、アカデミー短編アニメーション賞に輝いた『In a Hearbeat』のエステバン・ブラボとベス・デヴィッドの両監督だ。同MVは、マーキュリーの死後にクイーンのメンバーであるブライアン・メイとロジャー・テイラー、そしてクイーンのマネージャーのジム・ビーチが設立したチャリティ団体、マーキュリー・フェニックス・トラストへのオマージュでもある。

「フレディの生涯と関係がありながらも、彼のことだけに断定しないストーリーを伝えたかった」と両監督はコメントを発表した。「1980年代のAIDS危機はLGBT史の極めて重要な一部分であり、気をつけて扱わなければならないテーマだということもわかっていた」。

「このMVはふたつの白血球が主人公のラブストーリーだが、片方がAIDSウィルスに侵されてしまう」とふたりはつけ加えた。「こうした見方は、私たちが葛藤を抱えるなか、より直接的なビジュアル表現を可能にしてくれた。そのおかげで、登場人物がふたりの関係ゆえに直面する困難、自己認識、社会の目、偏見、無関心などをより繊細なニュアンスで描くことができた」。

「Love Me Like There’s No Tomorrow/明日なき愛」は、マーキュリーのソロとしてのキャリアの集大成であるボックスセット『Never Boring』に収録されている。「たくさんのアイデアで頭のなかは爆発しそうだった」と以前にマーキュリーは自らのソロとしてのキャリアについて語った。「それに、クイーンでは実現できなかった音楽の領域をもっと探求したい」。

ボックスセット『Never Boring』には、同名のベストアルバムだけでなく、『Mr.バッド・ガイ』と『バルセロナ』のソロアルバムも2枚付属する。全32曲が収録されたボックスセットを手がけたのは、長年にわたってクイーンの音響チームを務め、映画『ボヘミアン・ラプソディ』のオリジナルサウンドトラックの共同プロデューサーを担当したジャスティン・シャーリー=スミス、クリス・フレデリックソン、ジョシュア・J・マックレーである。

さらに、ボックスセットには未公開の写真と『ボヘミアン・ラプソディ』でマーキュリー役を演じ、アカデミー賞主演男優賞に輝いたラミ・マレックによるイントロダクション、13本の動画が収録されたDVD、マーキュリーのインタビューも付属する。リリース予定は10月11日だが、先行予約も受け付けている。



『Never Boring』トラックリスト
1. “The Great Pretender”
2. “I Was Born To Love You”
3. “Barcelona”
4. “In My Defence”
5. “Love Kills”
6. “How Can I Go On” (Single Version)
7. “Love Me Like There’s No Tomorrow”
8. “Living On My Own” (Radio Mix)
9. “The Golden Boy” (Single Edit)
10. “Time Waits For No One”
11. “She Blows Hot and Cold”
12. “Made In Heaven”

Translated by Shoko Natori

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