アメリカ時間5日、ドナルド・トランプ米大統領は移民・関税執行局(ICE)の新局長をTwitterで指名し、ICE職員を驚かせた。トランプ大統領が指名したのはマーク・モーガン氏。オバマ大統領の任期中、アメリカ国境警備隊のチーフを務めた人物だ。
「強固で公平で安定した移民政策を望む皆さんに、ご報告しよう。マーク・モーガンが、職務に励むICE職員のトップとしてトランプ政権に加わることになった。マークは信念の男、真のアメリカ愛国者だ」と大統領はツイートした。「きっと素晴らしい仕事をしてくれるだろう!」
政権の幹部職員がワシントンポスト紙に語ったところでは、「大統領のツイート前、ICE幹部はモーガン氏の選出について一切知らされていませんでした」
モーガン氏はFBIからキャリアをスタートし、オバマ政権時にはアメリカ国境警備隊のチーフを務めた。トランプ大統領就任に伴う解任後は、数々の政策でトランプ大統領支持の立場を表明していた。
「私は解雇されました。ですが自信をもってこう言いましょう。『私は(トランプ政権を)軽蔑してしかるべきだろう。だが、そうはしない。なぜなら彼らの言い分は正しいからだ』」と今年1月にはニュースサイトLAW & CRIMEにこう語り、さらに「壁は有効だ」と付け加えた。
4月にはFOXニュースとのインタビューで、不法移民を聖域都市へ移送するトランプ大統領の計画を支持する発言をした。この計画に対してはICE職員から「警戒」の声が上がっているともいわれる。
「私自身も現場に行きました。国境警備隊、ICE、収容施設は極限状態です。各種慈善団体やNGO団体らもいっぱいいっぱいです」と、モーガン氏はFOXニュースに語った。「他に選択肢はありません。こうした人々を移動させなくてはならなくなるでしょう。国全体で負担を共有するべきではありませんか?」
モーガン氏はさらに続けて、この計画にはいくつか「法的正当性に対する懸念」や「物流の問題」があることも認めた。だからといって、トランプ政権が過去に行動を控えたことはなかった。
トランプ大統領は以前ロナルド・D・ビチェロ氏を局長に指名したが、4月にこれを撤回。ICEを「より強硬な方向に」転換したいと発言していた。