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ロン・ハワード監督のドキュメンタリー映画『ザ・ビートルズ~EIGHT DAYS A WEEK − The Touring Years』からわかる10の真実

JORDAN RUNTAGH | 2016/11/06 17:00

| ロン・ハワード監督のドキュメンタリー映画『ザ・ビートルズ~EIGHT DAYS A WEEK − The Touring Years』 |

ロン・ハワード監督の新しいドキュメンタリー映画『Eight Days a Week』は、ビートルズがツアーに追われていた時代の新たな事実を伝えている。ジョン・レノンが入れる"喝"からアメリカ初のビートルマニアの誕生まで、興味深いエピソード満載の映画が満を持して公開された。

「1966年までザ・ビートルズは本気を出していなかった」と広く言われている。1966年のアルバム『リボルバー(原題:Revolver)』は彼らが初めて“本気を出した”代表作で、一部では評判のよくないアルバム・ジャケットのデザインと共に有名な作品である。彼らの話す内容も、宗教、戦争、人種問題など重いものとなり、さらにサイケデリック・ドラッグのせいで気も大きくなっていた。最も重要な点は、各地のベースボールスタジアムで生演奏するただのバンドから、60年代のスウィンギング・ロンドンの実験的スタジオで製作した前衛的な作品を提供するどこか神秘的なアーティストへと変化を遂げたことにある。これはバンドがポップからロックへ、マッシュルームカットの青年から大人へ、モノクロからカラーへと変革した時期でもある。バンドはこの翌年、大きくステップアップするきっかけとなったアルバム『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(原題:Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band)』をリリースした。

2016年10月に映画館とHuluで公開されたロン・ハワード監督による待望のドキュメンタリー映画『Eight Days a Week』は、バンドの絶頂期を検証するというよりも、重要なポイントとなる背景を描写している。ビートルズのファイナル・コンサートから50周年を迎えた直後に公開されたこのドキュメンタリー映画では、彼らのめまぐるしいツアー生活を追っている。さらにこの映画は、最終的により重要なことを成し遂げたバンドのライヴ生活が、後から懐かしく思い出される熱狂にすぎなかった、という従来の固定観念を覆している。映画の前半でリンゴ・スターが言う。「とにかくプレイしたかった。プレイすることが最優先事項だった」。

『Eight Days a Week』は、ビートルズ初期のエピソードをテクニカラーで美しく蘇らせている。20世紀半ばの歴史に愛着を持つロン・ハワード監督は、『アポロ13(原題:Apollo 13)』、『フロスト×ニクソン(原題:Frost/Nixon)』、『ビューティフル・マインド(原題:A Beautiful Mind)』のようなビッグ・ヒットを飛ばしている。彼は長い間忘れ去られていたビートルズの記録映像を掘り起こし、映画として耐えうるだけの美しいクォリティに復元した。それらをすべてつなぎ合わせ、聖書にでも出てきそうな壮大なスケールで、とても半世紀前の映像とは思えない1本のドキュメンタリー映画に仕上げた。

「当初の作業はシンプルに進んでいたが、最後に行くに従っていろいろ込み入ってきたんだ」とポール・マッカートニーのナレーションが入る。シンプルなことは決して悪くない。マッカートニーがよくおどけて言うように、レコーディング慣れする前のビートルズは「偉大なるちっぽけなロックンロール・バンド」だった。『Eight Days a Week』では、あっという間に駆け抜けたスリリングな時代の熱狂を感じながら、これまでに見たことのないビートルズにお目にかかることができる。
Translation by Smokva Tokyo

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