『Eight Days a Week』では、ビートルズの曲が1963年12月17日にアメリカで初めてラジオで流された音源も聴くことができる。その数ヵ月後にバンドは、エド・サリヴァン・ショーでアメリカでのテレビ初出演を果たすが、それと同じくらい重要な出来事だった。メリーランド州シルバースプリングの15歳の少女、マーシャ・アルバートがラジオ局へリクエストを送ったことがきっかけだった。彼女こそアメリカにおけるビートルマニア第1号だった。
エド・サリヴァン・ショー出演以前の1963年12月10日、ビートルズはCBSイブニングニュースに取り上げられている。番組を家で観ていたアルバートは、そこで流れた曲をとても気に入った。バンドの最新シングル『抱きしめたい(原題:I Want to Hold Your Hand)』は、その時まだアメリカではリリースされていなかったが、ブリティッシュ・エアウェイズのフライト・アテンダントにハンドキャリーを依頼し、入手した。彼女はこの素晴らしい音楽を他の人々と共有したいと思い、ワシントンDCのラジオ局WWDCの有名DJキャロル・ジェイムズへ手紙を書いた。「ここアメリカでこの素晴らしい音楽を聴きたいと思いませんか?」。