sumikaが語る、「Porter」撮影エピソードと10周年にかける思い

sumikaが語る、「Porter」撮影エピソードと10周年にかける思い

Photo = Hiroshi Manaka, Text = Hiroo Nishizawa, Staying = Risa Kutsuzawa, Hair and Make-up = URI

CONVERSEが2020年より展開しているアウトドアにフォーカスした「CONVERSE CAMPING SUPPLY」。ストリートに溶け込むクラシックなデザインに頑丈なアウトドアスペックを搭載し、高いファッション性とともに、アーバンからキャンプシーンまで快適に楽しむための機能を併せ持っている。4人組バンド・sumikaによる新曲「Porter」のスペシャルムービーでは、「CONVERSE CAMPING SUPPLY」のアイテムを着用し、都会と自然の両シーンで演奏をするメンバーの貴重なシーンも映し出されている。今年、結成10周年イヤーを迎え、9月21日には4枚目のフルアルバム『For.』をリリースし、9月23日からは全国20カ所26公演に及ぶ全国ツアーsumika Live Tour 2022-2023「Ten to Ten」をスタートさせたsumikaのメンバー4人に、撮影時のエピソードから、新作アルバム、全国ツアーのことまで話を聞いた。

楽しくないと続かない

RSJ 「CONVERSE CAMPING SUPPLY」のシューズを履いて都会と自然の両シーンでの撮影に臨まれた「Porter」のスペシャルムービー、振り返ってみていかがでしたか?

片岡 プライベートだとジャックパーセルとかのスニーカーを履かせていただく機会が多いんですけど、今回はアウトドアのラインを初めて履かせていただいて。街中の水溜りに力強く飛び込んでも大丈夫だからと言われて、本当に大丈夫かなと最初は恐る恐る飛び込んだんですけど、全然大丈夫で。CONVERSEのイメージが変わりました。

小川 それこそライブの衣装でも履かせていただいたりするんですけど、今回は水に濡れても大丈夫っていうことで、ちょっと強気になっちゃって。川に足を入れてみたりしすぎて、はしゃぎすぎました(笑)。

黒田 僕はメンバーの中で一番キャンプに行くんですけど、山道を歩いても足が疲れないし、すごく使いやすくて。改めて欲しいなって思いました(笑)。

荒井 クッション性や防滑性などに長けていて、ロケーション的に足場が大変なところも多かったんですけど、全然ストレスにならずに安心して歩けましたし、ドラムをプレイするときにCONVERSEは久しく履いてなかったんですけど、今回撮影で使わせていただいた靴はすごくいいかもしれないと思って。そういう意味では僕もイメージが変わりましたね。

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RSJ 「Porter」はどのようなことをイメージして書かれた楽曲なんでしょう。

片岡 僕が10代のときに好きだったNOBってバンドのベース・ボーカル鎌田真輔さんが交通事故で亡くなってしまい、その何年か経ったタイミングで作った曲なんです。なのでベースとボーカルから始まっていて。今回新曲として立ち上げようってなったとき、憧れという気持ちに純粋に心を動かされて曲を作っていきたいと思ったんですね。そうなったときに、僕はスピッツが大好きなので、ベースをスピッツの田村(明浩)さんに弾いていただけたら、憧れっていうマインドも今の自分として昇華できると思いましたし、楽曲にとって一番良くなるんじゃないかなって。最初のとっかかりはそういうところから作っていきました。

RSJ 10周年で原点に立ち戻るような感覚もあったんでしょうか。

片岡 フラットな気持ちでみんなで選曲会議をしたときに「Porter」をやりたいねってなって。理由を言語化して話すみたいなことはしていなかったんですけど、後で見返してみると、『For.』っていうアルバムの中で唯一この曲だけ「For」が歌詞に使われてることに気づいて。これは導かれてできたのかなって気もしていて。音源って一つのゴールでもあると思うんですけど、個人的にはスタートって気持ちが大きくて。ライブで育てていくことで、昔の悲しかった気持ちも、憧れのような感情も、正しくポジティブな方向に持っていける気がしていて。いろんなことを考えると運命的な収録だったなと思いますね。

RSJ 田村さんとのレコーディングで想い出に残っていることはありますか?

片岡 すごく印象的だったシーンがあって。ベースの全体像を録ったあと、もうちょっとよくできるかもなみたいなパートを田村さんが練習しながら弾いてるときに、「1回休憩する! 楽しくなくなってきたから!」って言っていて。それがすごく刺さったんですよ。僕らは音楽を続けていくことをバンドの一番の目標として掲げているんですけど、その中で、やっぱり楽しくないと続かないと思うんですよね。その考えは甘いって意見もあると思うんですけど、続けていく上で音楽を嫌いになっちゃったら辞めてしまうと思うので。音楽を楽しむという部分で妥協しなかった成果が、もしかしたらスピッツというバンドのピュアな音楽活動に表れているんじゃないかなって垣間見えた瞬間があって。それは本当に見習いたいなと思いました。

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点と点が繋がった瞬間に次の10年が見える

RSJ 10周年の節目となるアルバムタイトルを『For.』にした理由も教えていただけますか。

片岡 まず、4枚目のフルアルバムであること、メンバーが4人であることで、「Four」だなと思ったんです。そこから先に突っ込んで、みんなは今何を考えていて、どういうふうにしたいと思っていて、何のために音楽をやってるんだって、みんなのクエスチョンとして掲げてから、アルバム制作を始めようって楽曲制作が始まったんです。それが『For.』。10周年というタイミングで、みんな1回ちゃんと自分の答えを出すべきだよねってところから始まったアルバムです。

RSJ 今作には14曲が収録されており、さまざまなバリエーションに溢れていますが、お1人ずつ特に印象深い楽曲を教えていただけますでしょうか。

小川 僕は、自分が作った「フレア」という曲です。個人的にすごく印象に残ったシーンが、片岡さんがタイトルを僕にだけ教えてくれたんですよ。そのタイトルを知ってから、最後のフレーズを「フレア」でイメージを膨らませて作ったんです。最初にフル尺は作っているんですけど、その次に片岡さんが言葉を作ってくれて、それを汲んで新しいアレンジが生まれた。完成するまでに、そういう掛け算があった楽しくて刺激的なレコーディングでした。

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RSJ 片岡さんは、今回の楽曲の中で特に1曲あげるとしたら。

片岡 難しいけど、「透明」から「言葉と心」の流れですかね。2022年5月のここから10周年イヤーですよってタイミングで「透明」をライブで育てていこうって形で初披露して。「言葉と心」は、愛してる愛してるって何度も繰り返した後に、その言葉の意味を問うって曲で。結局言葉って入れ物でしかなくて、中身に何が入ってるかがものすごく問われるワードだと思うんですよね。「透明」を聞いたあとに「言葉と心」がくることによって、この「愛してる」って言葉は、どういうふうに人に伝えればいいんだっけっていうのを今一度考えられると思うので、1曲じゃないですけど、この2曲の流れですね。

RSJ 黒田さんはアルバムの中で1曲挙げるとしたら?

黒田 どれを選んでもいろんな思い出があるんですけど、出来上がったときにこんなに良くなるんだ嬉しいと思ったのは「何者」です。デモの段階から勢いのある思い切ったことをやりたい片岡さんの気持ちは伝わってきていて。ただ、やりたいことをバーッとやって、まとまらなかったらどうしようみたいな気持ちもあったんです。最後ミックスの段階になったときに、これを最初から頭の中で考えていた片岡さんマジで天才だなって。すごく嬉しかったです。

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RSJ お話を聞きながら荒井さんもうなずいていらっしゃいましたが、「何者」はレコーディングのときと完成時で結構変化があったんでしょうか。

荒井 デモの段階からある程度の方向性は提示してくれていたんですけど、なんとなくカオスというか、想像以上というか、そういう部分はあったと思います。

RSJ カオスという言葉が出てきましたけど、片岡さんは敢えて狙っている部分がある?

片岡 そこで行くと、多分僕はメンバーの中で一番カオスを産み出すというか(笑)。去年も突然合宿に行こうといってレコーディング合宿をしたし、変な転調とかもよくするし、突拍子もないことやったりする。さっきの隼ちゃんの言葉を覆すようですけど、僕は着地点なんてはなから想像してなくて、みんなでやれば大丈夫でしょうと思っている。バンドに対して信頼をもっているから、言葉をのせて歌って着地できないわけないよって自信はデモの段階からめっちゃ感じてましたね。

RSJ 荒井さんはアルバムの中で、特にどの曲が思い出深いでしょう?

荒井 「New World」ですね。隼ちゃんがデモを上げてきてくれた段階から、1曲目でいけたらかっこいいよねとずっと思っていて。今までの活動してきた中で培ってきたsumika像を少しずつ壊すじゃないですけど、こういう面のsumikaもあるんだよっていうのを、作品ごとに少しずつ線引きを広げていったことで、10周年イヤーというタイミングで、これもsumikaだよっていうことを変に気遣わずに見せることができた気がしていて。「New World」が1曲目っていうのはその象徴じゃないかと思いますし、すごく印象深い曲です。

片岡健太 ODB CP / Name. ¥16,500
小川貴之 SPO CP TL ¥14,300
黒田隼之介 MSD CP / CFC ¥12,100
荒井智之 CLN CP ¥14,300
CONVERSE CAMPING SUPPLY
オフィシャルサイト

RSJ 9月23日から来年2月にかけて、全国20カ所26公演に及ぶ全国ツアー「Ten to Ten」を開催されます。どのようなツアーにしたいですか。

片岡 今まで作ってきたものだったり、自分たちが歩んできた足跡を点と捉えて、そこを結びつけながら次に進んでいくというイメージで「Ten to Ten」というタイトルにしていて。点と点が繋がった瞬間に「10 to 10」=これまでの10年から次の10年が見えると思っています。これはある種、クエスチョンですね。自分たちが何を作ってきて、これから何を作りたいのかに向き合わないとツアーとして成立しないと思う。アルバムの曲の中にこもってるマインドも含めて、ちゃんとライブで伝えきれて、10周年の先の点が見えるのか見えないのか。自分たち自身の挑戦でもありますし、置きに行っていないツアーにしたいなと思います。いい意味でみなさんのことを裏切りたいと思っていますし、ポジティブなサプライズをたくさん起こし続けたいと思いながら1本1本作っていくので、状況が許せば、ぜひライブで見てほしいなと思っています。

For.

『For.』sumika

発売中
ソニー・ミュージックレーベルズ

PROFILE

sumika

神奈川県川崎市出身、片岡健太(Vo./Gt.)、荒井智之(Dr./Cho.)、黒田隼之介(Gt./Cho.)、小川貴之(Key./Cho.)からなる4人組バンド。様々な人にとっての“sumika(住処)”のような場所になって欲しいとの願いを込めて、2013年5月に結成。今年、結成10周年イヤーを迎えており、9月23日からは、全国20カ所26公演に及ぶ全国ツアーsumika Live Tour 2022-2023「Ten to Ten」がスタートする。

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コンバースジャパン

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