moonriders11年振りアルバムを鈴木慶一、佐藤優介、澤部渡とともに語る

moonriders

日本の音楽の礎となったアーティストに毎月1組ずつスポットを当て、本人や当時の関係者から深く掘り下げた話を引き出していく。2022年5月の特集は「moonriders」。パート1はゲストに鈴木慶一、佐藤優介、澤部渡を迎え、11年振り新アルバム『It’s the moooonriders』の前半全曲を語る。

田家秀樹:こんばんは。案内人・田家秀樹です。今流れているのはmoonridersの「monorail」。4月20日に発売となった新作アルバム「It’s the moooonriders」の1曲目です。「J-POP LEGEND FORUM」J-POPの歴史の中の様々な歴史を改めて紐解いていこうという60分。伝説のアーティスト、伝説のアルバム、伝説のライブ、そして伝説のムーブメント。一つのテーマ、一人のアーティストを一ヶ月に渡って特集しようという、贅沢な時間の使い方をしています。

関連記事:柴那典が語る、平成30年間のヒット曲の背景を書いた評論集



2022年5月の特集は、moonriders。デビューが1976年。その前に1971年にデビューした前身「はちみつぱい」から数えると51年。現在のメンバーは、鈴木慶一さん、岡田徹さん、武川雅寛さん、鈴木博文さん、白井良明さん、夏秋文尚さんの6名です。それぞれがソロアーティスト、プロデューサー、作詞家、作曲家、演奏家として自立したメンバー。時代に流されずに、自分たちの音楽を追求する史上最強、趣味的職人バンドという風に言ってしまいましょうかね。日本のロックの生きた伝説であります。今月は新作アルバムを入り口に、彼らの歩みを辿ってみようという一ヶ月。今週と来週は11年ぶりの新作の全曲紹介。ゲストは5週間に渡って登場してもらう鈴木慶一さん、そして演奏と曲作りに加わったミュージシャン・佐藤優介さんと、澤部渡さん。1989年生まれと1987年生まれであります。こんばんは。よろしくお願いします。

鈴木 慶一、佐藤 優介、澤部 渡:こんばんは。よろしくお願いします。

田家:まずは11年ぶりのアルバム発売の、心境というのから伺いましょうか。

鈴木:11年間、休止してから色々なことをやっているわけで。ソロやバンド、そんなことがあるうちに、2013年にドラムのかしぶちさんが亡くなり、実に波乱万丈な11年だったと思います。作るきっかけは、何々周年。まあ、2021年が45周年。いわゆる、「火の玉ボーイ」を出してから45周年ということで、2020年くらいから制作しようかなと考え始めましたね。

田家:今回ゲストにお越しいただいているお二人は89年生まれと87年生まれで、moonridersのアルバムをユニット名にした、「カメラ=万年筆」をおやりになっていた。

鈴木:もうバンド名がトリビュートしてるね(笑)。

佐藤:ライダーズの1980年リリースのアルバムタイトルに由来して。

鈴木:スカートっていうアルバムタイトルはないかなあ(笑)。

佐藤:ただ歌詞には出てきます。

田家:澤部さんはスカートというソロプロジェクトもやってらっしゃって、佐藤さんとはそこでも一緒に。

澤部:そうですね。

田家:で、今回のアルバムは皆様でお作りになった訳でしょ?

鈴木:作り始める前にライブが結構沢山あったんですね。まず2020年に「カメラ=万年筆」の40周年記念ということで、無観客で再現ライブみたいなことをやったんですよ。それでまぁ様子見ようと。

田家:様子見(笑)。

鈴木:我々が三十の頃に作った曲が、七十でどうなるか様子見るということですね。その後もすぐ秋にライブをやって、さらにその後、去年のライヴで澤部くんにギターとコーラス、並びにリードボーカルを、佐藤くんにはキーボードとボーカルをやってもらってね。これは試したわけじゃないよ(笑)。それで非常に相性が良かったのとあと、我々の曲を我々より知っているんです。

田家:もはや忘れていることいっぱいあるでしょうからね。

鈴木:もうね、ありすぎ(笑)。

田家 :そうしたレコーディングの中で生まれたアルバムが、お2人にとってもどんなアルバムだったのかも、お聞きしていこうと思います。まずはアルバムの1曲目「monorail」。

Rolling Stone Japan 編集部

RECOMMENDEDおすすめの記事


RELATED関連する記事

MOST VIEWED人気の記事

Current ISSUE